「GATSBY学生CM大賞」をご存知だろうか。日本に留まらず世界中の学生が参加し応募作品1000を超えるCMコンテスト。今年、初鹿敏也さん(総3)がこの国際CMコンテストで見事マンダム賞を受賞した。


 初鹿さんは映像のみならず、書道や水墨画など多岐の分野で才能を発揮し、今月末に行われるTED×Keioにも登壇が決まっている。

このコンテストに出場した経緯や、彼の活動とこれからに迫った。


はつしかさん1初鹿敏也さん(総3)


— なぜこのコンテストに出場しようと思ったのですか?

これまではあまり自分からコンペに出そうとは思わなかったのですが、この国際コンテストは世界的に有名なのでずっと自分の頭にありました。やるなら自分がやりたいことではなく、このコンテストが求めているものを表現したいと思っていた。面白くて変わった作品が世界中から集まってくるので、その中で差別化をしたくて真面目なドキュメンタリー調に作風を変えてみたりしました。CMのイメージと絵コンテは自分がつくったので、そのまま自分だけの主観的なものにしたくなくて撮影はSFC外の友人と行いました。

はつしかさん3見事マンダム賞を受賞した、「GATSBYとともに」


— コンテストに出場されて何か感じたことはありますか?

実はこのコンテストには3作品出しました。そして、最終ノミネート22作品まで行ったのは1作品。その作品が3つの中では一番気に入ってないものでした。だからこの作品が選ばれたことに驚いたと同時に、悔しかった。自分が評価されるであろうと思っていた作品と、他人が評価する作品は違うということをまた改めて思い知らされました。

はつしかさん2国際CMコンテストの授賞式の様子


— 初鹿さんは様々な分野で活躍されていますが、将来は何を…?

子どもの頃は書道家になりたかったのですが、左利きだし、字も上手くないので、自分は向いてないと早い段階で決めてしまった。なので、いくらなりたくても、向いてないものはあると思っていて、自分は他人に向いていると言われたものが良いのではないかと思っています。映像を始めてみようと思ったのも「映像に向いているんじゃない?」と言われたからです。でも、映像自体を楽しいと思った事はありません。映像のなかに自分の主観や「らしさ」を反映させたくなくて、相手が求めていそうなことを考えながらつくる方が向いているのだと思います。そして、映像などの一分野に囚われず、色々な分野で役に立てたら、と思います。


— 12月23日(月・祝)にはTED×Keioにご登壇されるとのことですが、何を発表するのですか。

まだ決まってないんですよ(笑)。墨を使うということはなんとなく決めているのですが、どのようなパフォーマンスになるかはまだ未定です。どのくらいの規模の会場で、どれほどのオーディエンスがいて、その上で自分は何を求められているのかを考えている段階ですね。たまたま実行委員の方が僕のことを知ってくださったのが、登壇のきっかけなのですが、まだ細かいことが決まっていないこともあり、少し不安です。



「自分が何をしたいか」より「自分には何が求められているか」と考え、作品を生み出し続ける初鹿さん。彼のこれからの活躍に期待だ。