恩師に感謝の言葉を「ありがとう展」開催中
メディアセンター1階のオープンエリアにて、「ありがとう展」が7日(火)から展示されている。今年度をもって定年を迎える教員の著作紹介と、自由に書き込みができるメッセージカードの掲示が行われている。今回、「ありがとう展」を企画したメディアセンターフレンズの渡慶次りささん(政メ1)に話を聞いた。
定年を迎えるのは、井下理総合政策学部教授、金子郁容政策・メディア研究科教授、古石篤子総合政策学部教授、佐々木三男環境情報学部教授、花田光世総合政策学部教授だ。
綴ることで見える気づき
–「ありがとう展」を企画された経緯や意図について教えてください。
この企画は、メディアセンターの職員の方々とメディアセンターフレンズ一同で意見を出し合って完成した、今回が初めての企画です。私自身が古石篤子教授の研究会に所属していたこともあって、定年を迎える教授と学生を繋げたいという思いから提案しました。メディアセンターの職員の方々ともすぐに意見が合い、短い期間の中で準備をすすめました。「ありがとう展」メッセージカード展示の様子
当初はメッセージカードではなく、オープンエリアにあるホワイトボードに学生に直接メッセージを書いてもらうことにしていたのですが、それではせっかくのメッセージが消えてなくなってしまうため、教授方に渡せるようにメッセージカードに書いてもらうことにしました。このメッセージカードは多くの学生が書き込んでくれているのですが、著作の展示はあまり目が留められてない状態です。企画の主な意図は先生方の著作を紹介することなのですが、オープンエリアの目立つ場所にメッセージカードが掲示されているのでみなさんの足がそこへ向かいがちですね(笑)
–実際にメッセージを記入している学生たちを目にしましたか?
はい。とても嬉しく思います。「あの教授、今年で定年されるんだ」などといった声も実際に耳にしました。実はこの企画には3つの気づきを意識しています。1つ目に「定年をむかえられる教授方の存在」への気づきです。学生側がそうした教授方がいることに気づいて、今まででの関わりや思い出を振り返ってもらえる機会になればいいなと思っています。
2つ目は「各教授の専門分野や研究分野」への気づきです。「この教授って、こんな研究をしていたんだ! 」ということを知ってもらえればいいなと。
最後に、「教授方の著作」への気づきです。今までに教授方が発表されてきた著作を知ってもらったり、手にとってもらったりすることを考え、著作コーナーも一緒に併設しています。
そして、展示場所をオープンエリアに設置して正解だったなと思っています。この展示が、学生同士が集まるような場になれば嬉しいですね。また、以前にメディアセンター1階のラウンジスペースで開催していた「it/One Plus」では学生と学生の交流の場を目指していたのですが、今回の「ありがとう展」はそれだけでなく、学生と教授が繋がる場になってほしいという思いも込めています。
「ありがとう展」の反響や展示の様子をみて、次回は新しくSFCにいらっしゃる方向けに「ようこそ展」みたいな企画も行ったら楽しいのではないかと考えています。
「ありがとう展」を企画した渡慶次りささん(政メ1)
–なるほど。展示をしてから何か具体的な反応はありましたか?
メディアセンターの職員の方から、「SFC生はインターネットやSNS上でのやりとりに敏感で、あまり自分の手で思いを綴る機会は多くないだろうけど、意外とみんなメッセージを書いているのですね。」という感想を頂きました。メッセージカードの掲示場所をデコレーションしたり、先生方のプロフィールも添えたりと、いろいろな工夫をしたのでみなさんの目にとまったのかなと思っています。「ありがとう展」は2月7日(金)まで展示している。お世話になった教授方との思い出を振り返りながら、メッセージを綴ってみてはどうだろうか。また、メディアセンターでのその他のイベントは不定期に実施されているため、春からの新たな企画にも注目したい。