ストーンペーパー短冊で願いが叶う!? 授業発・七夕祭初の短冊企画
いよいよ来週7月5日(土)に第25回七夕祭が迫る。そんな七夕祭を来場者の願いごとで飾り付けようと、ストーンペーパー短冊企画が実施される。授業から生まれた企画で、企業の協力を受けて実現する。SFC CLIP編集部は、仕掛け人に企画の全貌を聞いた。
七夕祭当日、α館前大階段に10本の笹が設置される。ストーンペーパーを素材とする全4色の短冊に来場者が願いごとを記入して笹に結び付け、七夕祭を彩る。当日に参加できる短冊企画は初の試みで、七夕祭本部企画として実施される。
実施時間は11:00-19:00(展示は七夕祭終了まで)で、α館前のブースで願いごとを記入することができる。
“石からできた紙” 環境に優しく耐久性にも強い、革新的な素材
ストーンペーパーとは、石(石灰石)からできた紙である。原料に木を使わない上、製造過程で水を使用しないため、従来の紙製造で問題となる森林伐採や排水による水質汚染の心配が一切ない。また、石を原料とするため、水に強く、破れにくいのはもちろん、経年劣化にも強く、半永久的にリサイクルが可能だ。このように環境に優しいだけでなく、機能性にも優れているという大きな特徴を持つ。授業発! ストーンペーパーの価値を社会に提案
この企画は、今学期前半の授業「ソーシャルマーケティング」(担当: 玉村雅敏 総合政策学部准教授、政策・メディア研究科委員)で生まれた。同授業が扱う社会変革キャンペーンの実践として、株式会社TBM(以下、TBM)が輸入・販売を行う、ストーンペーパーの価値を社会にアピールする方法を考案するという最終課題が出され、履修するSFC生がグループワークで挑戦した。各グループから様々なアイデアが出たが、山崎大輝さん(総3)が率いる4人のグループは、ストーンペーパーを短冊として利用することを提案した。この山崎さんのグループの最終発表が今回の七夕祭ストーンペーパー短冊企画のきっかけとなった。
「決して朽ちない強い願いに」ストーンペーパーの耐久性に注目
山崎さんはSFCで映像制作に取り組んでいる。
山崎さんとメンバーは、身近ですぐできるものを意識しながらアイデアを出し合った。その結果、春学期前半の同授業が終わったすぐ後の「七夕」、そして「短冊」にたどり着いた。「雨に濡れても心配なく、破れにくいから短冊に使えるのでは」とストーンペーパーの耐久性の高さに注目した山崎さんらメンバー。しかし、発想はそこだけに留まらない。「ストーンペーパーに願いごとを書くことで、願いがより強く、より叶いやすくなってほしい」という想いを込めたのだ。山崎さんは「決して朽ちることのない強い願いになるはず」と笑顔で胸を張る。TBM×電通×SFC生 コラボレーションで実現へ
笹木さんも重要な仕掛け人のひとりだ。
同授業で第11-14回の講座をゲストレクチャーとして担当したのは、株式会社電通(以下、電通)未来創造グループ、チーフプランナーの笹木隆之さん。今春から政策・メディア研究科博士課程にも通っている。電通の同グループでは、TBMの経営のパートナーとして、あらゆる業務をサポートしていることもあり、玉村准教授に同社のストーンペーパーの話をしたところ、ケーススタディとして採用され、今回の最終課題に至った。笹木さんは、ストーンペーパーを短冊に利用するという山崎さんのグループの提案に目をつけた。機能性をアピールするだけではなく、本質にある「みんなの願いを強くしたい」という想いまでを表現している点を高く評価した。そこで、笹木さんが「七夕祭でやってみないか?」と声をかけ、実現へ向けて動き出した。
TBMも企画実現に積極的だ。七夕祭の協賛企業にもなり、必要となるストーンペーパーや費用は同社が提供し、実現をサポートする。「今までにない笑顔が、人と人をつなぐ世界をつくる」という理念を持つ同社は、社名の由来(Time Bridge Management)のように、未来への架け橋をつくり、学生や地域の人々の夢を叶えるという点で同企画に強く共感しているとのこと。
七夕祭実行委員会の協力も欠かせない。七夕祭を直前に控えた時期での提案であったが、交渉を重ねた結果、本部企画として実施するに至った。
「SFCらしさが凝縮された企画ではないか」と笹木さんが強調するように、このストーンペーパー短冊企画は、TBM×電通×SFC生という企業と学生のコラボレーションによって生まれた企画なのだ。
お題は「夢のおくりもの」 七夕祭テーマと連動
ストーンペーパー短冊に書く願いごとには「夢のおくりもの」というお題がある。今年の七夕祭のテーマである「おくりもの」に、叶えたいと願う「夢」を掛け合わせたのだ。山崎さんは「素敵な夢を自分自身や身近な人に贈ることで、想いが結ばれていけばうれしい」と企画に想いを込める。
願いごとが叶う!? 書くだけでは終わらない短冊企画
驚くべきは、願いごとを書いてもらって飾るだけではなく、叶えるところまで企画しているということだ。寄せられた願いごとの中からいくつか選び出し、実際に叶えるという。こちらは応募制で、希望する場合は短冊に記入する際に別途登録を行う。願いごとに本気な人はぜひ応募しよう。笹木さんは「願いごとが叶うとなれば、書くモチベーションも高まるのではないか」と企画自体の盛り上がりへの効果を期待する。山崎さんも「願いごとに関わって叶えるところまでを表現したい」と意欲的だ。