1日(水)、日吉記念館(日吉キャンパス)で、2015年度学部入学式が開催された。午前・午後の2部構成で行われ、SFCの3学部(総合政策、環境情報、看護医療)は午後の部に参加。入学者数は総434名、環445名、看109名の計988名であった。

開式前は雨模様。傘をさした新入生や保護者らが列を成した。

開式前は小雨が降り続いていた。傘をさした新入生らは、保護者や家族らに見送られながら日吉記念館の階段を登っていった。
 

激動の現代にこそ学問を 清家篤塾長が式辞

開式。新入生らの緊張感が張りつめる。

SFCの3学部が参加した午後の部は、15:00に開式。式典のはじめに長谷山彰常任理事による学事報告が行われ、続いて清家篤塾長が式辞を述べた。

清家塾長は英語でも式辞を述べた。

「皆さんおめでとう」と温かく祝意を伝える清家塾長。慶應義塾の歴史を説明するなかで、福澤諭吉先生が幕末という変化の時代に学問、とりわけ実学(science)を重視したことに触れた。そして、現代も同様に大きな変化の時代であり、福澤先生が重視した「半学半教」のもとに、学生と教員がともに主体的に学問、研究に取り組むことが求められていると新入生に訴えかけた。
 

「あえて現実的な話を伝えたい」環境情報学部から渡辺靖教授が祝辞

渡辺教授の「期待していない」という言葉に新入生らは背筋を伸ばした。

今年度の教職員代表祝辞は渡辺靖環境情報学部教授が務めた。渡辺教授は、新入生への祝いの言葉を述べたあと、「あえて現実的な話を伝えたい」と切り出した。
 この数十年間のインターネットの普及や中国の勢力拡大などを例にとりながら、「現実は変わる」ということを強調。そして、慶應義塾で学べない同年代の若者もたくさんいるということに言及しながら、「慶應だけが現実ではない」と語気を強める。さらに、慶應義塾には長い歴史があることを踏まえ、「慶應は必ずしも皆さんを必要としない」と厳しい口調で続けた。しかし、その上で、「慶應のために貢献したい、慶應の場をいかして活躍したいのであれば、大学は塾生を全力でサポートする」と一転して温かい言葉で締めくくった。
 「現実的な学生生活を送ってほしい」という渡辺教授の厳しくも優しい想いが詰まった祝辞であった。
 

独立自尊の精神で自覚と責任を持つ 新入生らが決意

「入学できることは喜び」と話す刈込さん。

新入生代表式辞では、刈込彩佳さん(経1)が午後の部の新入生を代表して入学の辞を述べた。「伝統と塾風を受け継ぎ、独立自尊の精神で自覚と責任を持たなければいけない」と新入生らとともに気を引き締めた。

そして、塾歌斉唱、塾員からの寄付目録贈呈・挨拶と続き、ワグネル・ソサィエティー・オーケストラによる演奏や同合唱とともに入学式は幕を閉じた。

SFCの3学部長(左から看、環、総)は、壇上から新入生らを見守っていた。

また、SFCから河添健総合政策学部長、村井純環境情報学部長、太田喜久子看護医療学部長が臨席した。左胸には、入学式にあわせて製作されたSFC25周年オリジナル缶バッジが添えられていた。
 

應援指導部の歓迎ステージ 塾生へ仲間入り

應援指導部の登場に空気は一変した。

入学式が終わると、続いて應援指導部による新入生歓迎ステージが行われた。大きな掛け声とともにチアリーダーが踊り、早慶戦の応援の仕方などを新入生に向けて披露した。

堤史門主将の大きな声に式場の緊張は一気にほぐれた。

式の初まりは雨模様だった空も、新入生が式場から出てくるころには夕日が顔を覗かせていた。

SFC新入生の学び舎はここではない。

SFCでは、先月26日(木)からガイダンスが始まり、多くの新入生がSFCへ登校した。総合政策・環境情報の2学部の学生は、ほとんどがSFCで4年間を過ごす。様々な想いや夢を抱えてこの学び舎へやってくる新入生たちを、SFC全体で温かく迎えよう。