24日(木)、慶應義塾大学保健管理センターは、11日(金)に同SFC診療所を受診した方がデング熱を発症していたことを発表した。海外で感染したとみられ、SFCでの感染拡大は起こらないと説明した上で、念のため予防策をとるように呼びかけている。

11日(金)SFCで受診 16日(水)外部医療機関で診断

発症したのは海外から入国した方で、11日(金)に発熱のためSFCの診療所を受診。同所は外部の医療機関へ紹介し、16日(水)にデング熱と診断された。学校保健安全法により、患者には回復までの登校禁止措置がとられた。なお、患者が学生であるかどうかなど、一切の個人情報は発表されていない。

「感染拡大は起こらない」保健管理センター説明

SFCでの感染拡大へのおそれに関して、同センターは、発熱が始まった時期や蚊が媒介するデング熱の感染特性を踏まえ、入国前に海外で感染したことが明らかであり、SFCやその周辺でデング熱が流行しているとは考えにくく、SFCでの感染拡大は起こらないと説明している。

2014年夏に国内感染拡大 今年も警戒を

国立感染症研究所によると、デング熱はネッタイシマカなどの蚊によって媒介されるデングウイルスの感染症であり、主に東南アジアや中南米の熱帯・亜熱帯地域で発生する。世界で年間1億人がデング熱を発症し、25万人が重症型のデング出血熱を発症するといわれている。日本では、海外で感染したのち国内で発症する「輸入症例」による患者が毎年200例ほど発生している。

最近では、2014年夏に東京都で海外渡航歴のない人が発症する「国内感染」が約70年ぶり確認された。都内を中心に約160人にまで感染が広がり、公園が相次いで閉鎖されるなど、大きな話題となった。

今年は国内感染者はまだ報告されていないものの、海外で感染する輸入症例が昨年を上回っている。国内での感染や発症があっても医療機関で確認されない事例も多いといわれており、毎年十分な警戒が必要だ。

念のため10月第1週まで警戒・予防策を

保健管理センターは、念のため、10月第1週までは蚊に刺されないように対策をとることを呼びかけている。長袖・長ズボンを着たり、虫よけスプレーや蚊取り線香、虫よけ剤を使用したりするなど、可能な範囲で工夫しよう。

デングウイルスに感染すると、3-7日後に突然の高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛など、インフルエンザに似た症状があわられることが多い。もし、疑わしい症状が出た場合は、すぐに医療機関で受診しよう。

SFCでは、研究会や言語系授業で盛んに海外研修が実施されているほか、個人や学生団体でも活動の場が海外に及ぶことも多い。そうした海外渡航では、治安だけではなく感染症にも細心の注意を払う必要がある。同時に、夏休みが終了し、来月以降、秋祭やORFなどイベントが盛りだくさん。身近なところでも日々、体調管理には気をつけたい。

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