4月1日付けで、2015年度秋学期の試験やレポートにおける不正行為の発表があった。総合政策学部、環境情報学部あわせて4件が公表され、12人の学生が処分を受けた。

10人の不正が相次いだデータサイエンス

秋学期に行われた「空間モデリング/環境ガバナンスのデータサイエンス」では2件の処分があり、10人が処分される事態となった。この授業は、進級に直接関わる「データサイエンス2」にあたる科目で、履修選抜がないため、多くの2年生が3年生への進級要件を満たすために履修していた。R言語(統計解析ソフト)初心者にもGIS(地理情報システム)に関する演習をさせるなど、難易度の高い授業として知られている。

学事の掲示によると、この授業では8人の学生が「共同作成者や担当範囲の記載が不十分なレポートを提出したり、他の履修者から提供されたレポートを改変して提出したにも関わらず、共同作成と偽った」ことを理由に処分された。なお、授業では最終課題を個人で提出することが原則として求められていた。多くの学生が関わった案件だが、処分はこの科目のみ不可(D)とすることにとどまり、比較的軽い処分となった。処分された学生の学年は公表されていないが、仮に2年生であり、かつデータサイエンスの必要単位を取得していない場合、原級することとなる。

また、この授業では別の2人の学生が同様に「レポートを共同作成したにも関わらず共同作成者を明示せず、個人で作成したかのように誤解を招く不正行為を行った」ことによって処分された。処分は8人と同一で、10人とも学年や氏名は公表されていない。

レポート執筆をすべて外部に委託

「企業法演習」の最終課題では、環境情報学部2年の学生が「レポートの代筆を学外の者に依頼し、かつ内容の全部が剽窃であるレポートを提出」したことで処分を受けた。処分は2015年度秋学期に履修した全科目の単位の取得を認めないというもの。この学生1人に対しては先述のデータサイエンスに比べ重い処分が行われた。

そのほか、「民法(財産法)」(SFC設置)でも不正行為があった。総合政策学部1年の学生が定期試験において持ち込み条件に反するものを持ち込み、処分を受けた。処分は譴責(警告)にとどまった。

2015年度秋学期半ばには、学生証の裏面の書き換えによる定期券不正購入など、氏名の公表等も含めた厳しい処分がなされた事例もあった。その事例に比べると今回の処分は比較的軽いものであるが、公正な成績評価が行われるキャンパスであるためには、学生も教員も一人ひとりが責任感をもつ必要があるだろう。