「ストリートミュージシャンが情報発信するコミュニティをつくりたい」


■ "Project CLIP"とは?
  "Project CLIP"は、研究会で動いているプロジェクトを紹介し、知識やスキルを身につけた学生同士が、専門性の垣根を越えておたがいにコラボレーションするきっかけづくりに役立てます。
 第1回目は、中島研究会の@street(アットストリート)プロジェクト。 ストリートミュージシャンがリアルタイムに情報を発信し、円滑に流通させるための地域コミュニティのモデルづくりを実践し、検証 しています。リーダーの山下徹くん(環境情報学部4年)に話を聞 いてみました。「なぜストリートかというと、彼らには情報を発信す る意欲があると思ったからなんです。」
■ 中島研究会 @streetプロジェクト
 中島研究会は、情報を扱う技術の把握、研究とその社会への応用を重視する「情報技術による社会変革の実践研究」と、情報自体の研究やその送受信に主眼を置く「ジャーナリズムと情報」の大きく二つに分かれる。それぞれの研究テーマの下、学生の興味 に基づいた、さまざまなプロジェクトが進行している。そのなかで @streetは、ストリートミュージシャンがリアルタイムに情報を発信し、円滑に流通させるための地域コミュニティのモデルづくりを実践し、検証するプロジェクトだ。リーダーの山下徹くん(環境情報学部4 年)に話を聞いてみた。
● どんな研究をしていますか?    
 ストリート情報をリアルタイムに流通させるための、ボトムアップ 型の地域情報のあり方を研究しています。@streetは、ローカル情報を収集・配信するコミュニティサイトです。@streetというプラットフ ォームで、ストリートミュージシャンが「いつ、どこで、だれが、なにを」 という情報を発信し、それを見たストリートファンが受信します。 「ストリート」をキーワードに、コンテンツは”Album, Broadcast, Community”。Albumは、音楽ライブやアーカイブ、Broadcastは ストリーミングやインターネット放送。Communityは、掲示板、チャット やメールマガジンなどを予定しています。  
 ネットワーク社会は、それまでのマスコミ主導の中央集権型とはちがって、インターネットを利用した自律分散・協調型です。それで、ぼくはストリートミュージシャンに注目しました。なぜストリートかというと、彼らには情報を発信する意欲があると思ったからです。
 今後は、ボトムアップ型に、リアルタイムで情報が発信され、インタラクションするしくみが重要になってきます。次世代の情報発信を 考えたときに、ぼくはそのモデルづくりをしたかった。ストリートは、リアル(場)とバーチャルの接点にあるのが、おもしろい。どれくらい の情報が入ってきて、場がにぎわい、その結果どのようなコミュニティが形成されていくのかに興味があります。
 今は、モデルつくりのための作業をしています。方法論としては、 「まずやってみて検証する」実践的研究です。背景には、中島研究 室での地方新聞プロジェクトがあります。「ネットならではの情報」を 流通させる実験で、去年のOpen Research Forumでは、Compress 2nd Stageという情報発信の新しいスタイルを提案しました。
● 今後のビジョンは?
 最終目標は、Street Culture分野への展開ですね。それには、 まずサイトを完成させたい(笑)
 @streetの掲示板で、ストリートらの声を定量的に分析して、コミュニサイトのメカニズムを知りたい。インタビューなどの定性データを用いて、集客コンテンツを開発して、位置情報サービスとも連携していくつもりです。@streetはマーケティング・ツールとしての 可能性もあります。
● 研究発表の場/メディアは何ですか?
 毎週火曜日の4限、5限です。http://compress.sfc.keio.ac.jp/ でも研究内容を公開しています。
● 他研究室や企業とコラボレーションはしていますか
藤沢産業センター(藤沢産業振興財団)と、動画配信で連携しています。もうひとつは、友人が通っている渋谷の専門学校にも協力 をいただいています。けれど、主役はやはり全国各地のストリートな 人々ですので、湘南・藤沢周辺を取材したりしています。
● どんな知識/スキル/人材が欲しいですか?
次のいずれかに興味のあるひとに来て欲しいと考えています。
・リアル・バーチャルともに、コミュニケーション
・ウェブ作成(デザイン・CGI・データベースなど)
・(広義の)マーケティング
・ストリーミング(インターネット放送)
・e-business
● 不満に思っていることを教えてください。
ぼくの時間が足りなくて、サイトつくりが進まないことです。 あとは、メールのやりとりが活発でないことかな。
● どこにアクセスすればよいのでしょう?
@street プロジェクトのメールアドレス[email protected] までおねがいします。
少しでも興味のある方はお話ししますので、声をかけてください。