先週号(8日付)でお伝えしたように、SFC CLIP号外に掲載の記事と酷似した記事が慶應塾生新聞のホームページに掲載された。


 先週号の段階では、この事実に対してSFC CLIP編集部が、同紙を発行する慶應塾生新聞会に申し入れを行う段階までしかお伝えできていないことを踏まえ、過去2回掲載された「エディターコラム」とは大幅に趣を変え、今回は主に先週号発行以降の事実経過について、この場を借りて読者の皆様にご報告申し上げたい。   
 先週号を発行後およそ2時間が経過した9日午前1時40分、塾生新聞会から謝罪を含む回答文がメールで寄せられた。回答によると、速報記事を掲載する場合、複数存在するWeb部門担当者がWebmasterに記事を送信し、Webmasterが記事の内容をチェックした上で、ホームページに記事を掲載するという体制だという。
 
 Webmasterから寄せられた回答文に「もちろん、CLIP様の記事を勝手に引用した部員の責任も大きいですが、速報記事が提出された段階で、記事がCLIP様の記事と酷似しているということを見抜けなかった私に全ての責任があります。」とある通り、今回の問題が発生した原因には、塾新の記事チェック体制に何らかの甘さがあったと見て間違いはないだろう。
 
 今回の行為は、「塾内での配布だけでなく、塾員(卒業生)及び大学関係者に対しても4,000部の新聞を発送し多くの方に愛読され、近年ではマスコミにも取り上げられるなど、高い評価を得てい」る(塾新ホームページより)報道機関であるならば、絶対にあってはならなかったはずだ。その点では、塾生新聞会には猛省を促さざるを得ない。
 その一方で、かの有名な朝日新聞の「サンゴ落書き写真事件」や、記憶に新し「雪印食中毒事件」を始めとする企業不祥事から分かるように、一般的に企業などは不祥事の真相を明らかにしたがらないものだが、今回の件の原因を極めて早い  段階で明らかにした潔さには、塾生新聞会に対して深い敬意を表したい。
 今回の件を他山の石としてSFC CLIPも綱紀粛正に務めなければならないこと を肝に銘じつつ、塾全体をカバーしている塾新とのcollaborationも視野に入れ、「塾内ジャーナリズム」の発展に努めたい。