大分合同新聞の夕刊に掲載される「ぶんぶん」は、中小企業や個人に対し、通常の広告費のほぼ半額で広告枠を提供する。


 大分県内の企業の大半を占めるのは、中小企業である。これまで、これらの企業は広告予算に限りがあるため、新聞などのマスメディアに自社の広告を掲載することは困難であった。しかし、この低価格の広告枠が提供されることによって、中小企業、さらには街の商店などが気軽に広告を掲載することが可能となった。
 また、個人の広告も1000円以内で掲載することができるとあって、人気だ。余ってしまったコンサートチケットを売りたい、などの「売ります・買います」広告や、「サークルメンバー募集」広告など読者同士の情報交換の場として利用されている。
 この「ぶんぶん」の読者層は主に20~30代の主婦である。このような若い主婦層を意識したかわらしい広告レイアウトを作り出す「ぶんぶん部」は若い女性社員で構成されている。若い感覚と女性の視点を活かし、「ぶんぶん」は大分合同新聞の夕刊の人気コンテンツとなっている。
 大分合同新聞社は、「ぶんぶん」をWEBコンテンツとしても活用している。このインターネット版「ぶんぶん」は「i-ぶんぶん」と呼ばれる。「i-ぶんぶん」は、広告契約を結んだ企業に対してそれぞれWEBを提供し、技術サポートを含め、EC支援・クーポン券発行などのサービスを行う。WEBは企業が自由に更新でき、更新すると企業一覧のトップに掲載される。これにより、企業の自発的なWEBの更新が促され、利用者は様々な企業の最新情報を知ることが可能となった。
 大分合同新聞社は、これらの低価格広告枠を地元企業に提供することにより、県内の経済活動の活性化に貢献することを目標としている。地方新聞社は、一方向的な報道、既存のジャーナリズムの枠を越え、地域産業とのやりとりを通して、地域の情報化を先導する役割を果たしていくことが求められる時代となった。