知恵を借りることは一般的なことだ。そしてそれが多くの場合効物事を効率的に進めてくれることも、誰しもが知るところである。
 知恵を最大限に引き出し、知識の共有・活用させるコミュニティづくりはウェブ上でも多く展開されている。例えば「all about japan」。もしくは「知恵の輪ドットコム」。中島洋研究室でも、学習・研究支援 の活性化を志向するSFC-Possiblity(略してS-Poss)プロジェクトの研究が進んでいる。


 このような知識共有の試みは、経営用語ではKnowledge Manegementと呼ばれるものだ。このマネージメント手法は、社員がばらばらに持つ知識(業務で得た経験則やノウハウなど、あらゆる情報)を社内で共有して、商品開発などの創造的な仕事に繋げ、また同時に社員の能力のボトムアップを計り、最終的には顧客満足度を向上して、業績を伸ばすことを目的としている。生き残りを賭けて現在様々な企業が戦略の一つとして取り組んでいる。
 自分が独自に培った知識を率先して公開しようと言う人は少ない。質の高い知識を持つ人に知識を出したい、コミュニティに貢献したいと思わせるためには、まず人事評価・報酬制度の整備が必須だ。如何に上手く「動機付け」ができるかがこの仕組みの明暗を分けるだろう。