ドイツ語研修特集第4回目の今回は、今年の夏休みに研修に参加してきたばかりのSAの方にインタビューしてみました!ドイツ国内では最大規模を誇る、ハイデルベルグ大学への研修の様子を詳しく紹介してくれています。また、研修における語学能力の上達に欠かせない情報も多数提供して下さっていますので、ぜひご一読下さい。


■ ドイツ語研修特集を読む前に ■
 ドイツ語研修は他の語学研修とは異なり、学生が自ら大学を選択して個人単位で参加するものなので、各自の研修に対する印象や意見は研修全体を反映するものではありません。その点、あらかじめご留意下さい。

1. 全体の感想と、研修で得たこと

私が参加したHeidelberg 大学の研修は、ドイツ国内の夏季及び春季の研修の中でも最大規模を誇っており、研修全体の参加者は800~1000人もいました。けれども、その分クラスも細分化されるので、自分の能力にあったレベルで学習することが可能です。クラスの変更も、最初の一週間は自由にできました。
 また、人数が多いこともあって週末のエクスカーション(遠足のようなもの)は選択肢が多く、規模も大きいのが特徴です。ただ、ベルリンやノイシュバンシュタインへ行くプログラムは人気があってチケットがすぐに売り切れてしまいます。なかにはチケットを買うために授業を休んでいる人もいましたが、私は本末転倒だと思ってそうはしませんでした。結果、週末は個人で、または友人と連れ立って出かけることが多くなりました。
 私にとって今回は二度目の研修だったので、中級に入ることができ、周りには日本人がほとんどいませんでした。初級クラスには大勢の日本人がいるので何かとかたまってしまいがちですが、私はおかげで数日にわたって日本語をまったく話さないような環境で学習できました。
 クラスに日本人(東洋人)は私一人しかいなかったため、授業中に日本ではどうだ、中国ではどうだ、と文化や習慣に関する質問を集中的に受けることもありました。語彙の少なさに四苦八苦しながらも、仏教、神道、日本の地理、歴史、挨拶(お辞儀の作法など)、食事のマナーなど様々なことを必死になって説明しました。その時は大変でしたが、振り返ってみると自己発信型の外国語を身につけるための訓練として、非常に恵まれた環境にあったと思います。
 以上からも分かって頂けたと思いますが、ドイツ語の研修は基本的に一人で行くものなので、周りはアラブ人も含めた欧米人だらけです。まさにドイツ語漬けの、理想的な学習環境でしょう。また、自分が好きな町を選んで勉強できるのも嬉しい限りです。

2. 研修中の面白いエピソードなど

サッカーをしていた時のことです。一人のイタリア人が僕を見て近づいて来て、いきなり
 「お前は何人だ?」
 (Where do you come from?にあたるドイツ語)
と聞いてきました。私が、
 「日本人だよ。」
と答えると、
 「よし。韓国人だったら許さないところだ。」
と言ったのです。
 
 とっさのことだったので、彼が言わんとしていることを理解するのに数秒かかってしまいました。ワールドカップから一ヶ月半ほど過ぎていた八月半ばのことだったのです。イタリア人はあまり恨みを長々と引っ張らない気質だと思っていたのですが、ことにサッカーとなると話は違うようです。ちなみにその彼は生粋のローマっ子。2週間後のスポーツ大会では「Totti」と書かれたTシャツを着て登場し、大活躍していました。

3. 改善点してほしい点など

何しろ参加者の数が多いので、図書館のPCプール(オープンエリアのようなもの)はいつも満員+長蛇の列でした。研修参加者が使えるコンピューターの数を増やしてほしいと思います。
 また、窓口の少なさが気になりました。毎日数十人、日によっては100人を超える参加者が窓口に何らかの用事があって行くのですが、それを裁ききれるだけの人員がおらず、30~40分待ちが当たり前でした。

4. その他、コメントがありましたらお願いします。(HP情報なども)

ドイツ語の海外研修の特徴は自分で好きな町と学校を選べること。ですので、自分が興味を持った大学や地域への研修に参加したことのある人の意見も、過去のデータに遡って探してみることをオススメします。
 ドイツ語研究室(λ410)には今年の夏までのデータがありますので、お気軽にお越しください。ただいま、ドイツ語研究室のホームページに研修情報を載せる計画も進行中です。
・ドイツ語研究室のホームページ
http://deutsch.sfc.keio.ac.jp/
・私が参加したHeidelberg大学のホームページ
http://www.uni-heidelberg.de/
・2003年度夏の研修に関する同大学のサイト
http://www.zuv.uni-heidelberg.de/aaa/ifk/
質問は [email protected] までどうぞ