朝晩が冷え込むようになり、これからの数ヶ月は自転車通学にとっては必ずしも快適とはいえない季節がやって来ました。今回はそんな季節を乗り切るためにもいかに快適な自転車通学をするべか、というテーマです!


 先日、自転車店を営みながらNPOを運営する方とお話しする機会がありました。その方が言うには、最近は自転車タイヤの空気の入れ方を知らない人がいるそうです。驚くべきことですが、「タイヤがぺちゃんこになって走りにくくなってしまった」といって自転車店に来る人が珍しくないそうです。

そこで、まず快適自転車生活の掟その1は「タイヤの空気圧」です。

1817年にドイツで発明された自転車の原型では木のタイヤで、1842年になってソリッドゴム、つまりゴムを巻いて衝撃を和らげるようになったとされています。記録によれば、この自転車の最高時速は15km。現在、僕達の通学時の速度のほうがよっぽど速いようです。そして1884年ついに空気入りゴムタイヤが導入され、乗り心地は大幅に向上しました。
 本題の「空気圧」についてですが、空気をたくさん入れれば入れるほど楽に進み、スピードが上がるのは多くの人が経験から知っていることでしょう。空気をパンパンに入れるとタイヤの接地面積が減るから楽に走れると勘違いしている人がよくいますが、そうではありません。硬くなったタイヤが振動を吸収しなくなるために進行方向のエネルギーが奪われなくなり、結果として走行が楽になるのです。ただし、振動が吸収されない分、乗り心地は悪くなります。つまり、速さとペダルの軽さを選ぶか、快適さを選ぶかということです。ただ、空気圧をあまり上げすぎると接地面が減り雨の日などにスリップしやすくなるので注意を。一般的にはタイヤを横から見て接地面の長さが10cm程度というのが推奨されています。あとは個人の好みで。
 なお、自転車を追求しているような人は空気入れを常に持ち歩いて、路面の状態によって空気圧を調節して、快適な乗り心地に満足するようです。サイクルK では駐輪場の倉庫脇に空気入れを貸し出ししていますので、良ければ試してみたらどうでしょう。

快適自転車生活の掟その2は「油を注そう」です。

自転車は機械であり、漕いだ力は数多くの部品を伝わってタイヤを動かします。エネルギーはペダル、チェーンを伝わって、ギアを介してタイヤに伝わるのです。それら力が伝わっていく箇所では、1箇所ではたいしたことの無いものの、総ずるとかなりの量の摩擦が生じています。そこで重要になってくるのが各箇所に油を注して、なるべく摩擦を減らすことなのです。
 一番分かりやすく、メンテナンスしやすいのはチェーンです。チェーンは良く見ると、細かい金属の部品が100程度つながってできています。そして、それがひたすら回っています、その回るときに100個の一つ一つの部品が擦れて摩擦が発生します。チェーンは風雨やチリにさらされてすぐに汚れてしまう部品で、はじめは油が注してあってもすぐに取れてしまいますので、気がついたら油を注してみてください。また注したあとに布で余分な油をふき取っておくと空気中のチリを拾う量も減ります。
 その他にも気がつくところがあれば油を注してみるといいと思います。油を注すだけで、実際かなりペダルが軽くなります。ただ、ブレーキには間違えても油をさしてはいけません。先日冗談でブレーキに油を注してみたところまったくブレーキが利かなくなって困っています。なお、油はテンプラ油ではなくいわゆる潤滑油という機械油を。念のため。

快適自転車生活の掟その3「未来を予測せよ」。

よく、車を運転していて、次の信号がすでに赤なのにやたら加速して急ブレーキをかけて止まるドライバーを見かけます。加速感を楽しんでいるのか、排気量を自慢しているのか、それとも渋滞防止の心がけなのか不明ですが、とにかく一般的には無駄な走り方です。
 自転車も同じで、常に数百メートル先くらいまで起こり得ることを予想して走るのが、無駄の無い走り方のコツです。具体的には「信号が変わる」、「車道の車が曲がる」、「歩行者がいる」、といったことに気をつければ良いのです。先のことを考えて自転車に乗ればずいぶん快適でストレスの少ない走行ができます。また、猛スピードでおばさんを追い越したらすぐに信号が赤で、またおばさんに追い越されたなんて恥ずかしいことも減ります。

快適自転車生活の掟その4は「適当な服装」です。

真冬に自転車に乗るのは、どんなに強がりを言っても寒いです。厳冬の空の下全力疾走して、ぎりぎりで1限インテン外国語の試験に滑り込んだものの、寒さで手の感覚がなく、シャーペンが握れなかった経験があります。ただ、人間の寒いところというのは決まっていてそこをカバーすれば真冬でも快適に自転車に乗れます。まずは、風が入るところとして、首に襟巻きや、首が閉まる服を着る。また手を寒さから守るには、ハンドルにゴム製のカバーをかけるものが最高なのですが、若者としては少々おばさんくさくてさすがに恥ずかしいので、空気を通さないような手袋が良いです。首と手の寒さ対策だけでも、大分違います。

快適自転車生活の掟その5は「安全」です。

これは快適以前の話ですが、事故にあってしまったりしたら元も子もありません。以前、サイクルKではSFC周辺の交通事故の過去データを地図上で分析したことがありますが、自転車は人を轢くこともあれば、車に轢かれる、また自分で転んで怪我することもあります。特に冬は動物である人間の動きが緩慢なのに加えて、車も窓ガラスが曇っていたりしてリスクが大きくなります。特に急いでいるときこそ安全運転を心がけることが重要です。
以上の5つの掟で、あなたも快適な自転車通学が実現できるはず。寒い冬も快走でいこう!
(環境情報学部4年 松本賢二郎)
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