3月27日(日)10時40分、約1ヶ月に及ぶ旅を終えた市場宗丈さん(環3)。彼が日本最長の片道切符を手に出発したその日から綴りつづけていたウェブログのダイジェストをお届けしていたSFC CLIPは、ついに目標を達成した市場さんにメールインタビューに応じてもらった。


「この旅に出ようと思ったきっかけは?
 ある日、ふとこれまでの自分を見つめ返す事があって、その時に、自分がこの学生生活で、何もしてきてないのではと思ったのです。気づけば、もう大学生の時間を半分費やしている。来年にはもう就職活動、就職すれば、さらに自由な時間が少なくなる…
 そう思ったときに、今、自分が出来る最高のことをしようと思った。幸か不幸か、私は列車で旅をするのが好きで、じゃあ今まで自分がした事がない旅をしようと決意した。色々考えた出た結論が、最長片道切符の旅でした。そして、冬から春。この季節の変わり目に旅をしてみようと。それがきっかけです。
旅行中最大の思い出は? 印象深かった車窓、出会った人など。
 最大の思い出は、やはり終着駅の肥前山口駅に降り立った瞬間です。最後の列車に乗っていたときから、走馬灯のように今まで通ってきた車窓が巡って、最後の駅に降りた瞬間に、それがすっと抜けていって、「終わったんだ…」という達成感と終わるという寂しさなど、様々な思いがよぎって来ました。そして、最後無効印が押されたときに、目頭が熱くなりました。恐らく一生忘れることのない思い出です。
 印象深い車窓は、上越線でした。越後湯沢では、吹雪という最悪の天気でしたが、上越の国境のトンネルを過ぎて、徐々に山を降りていくと、一面の青空に、榛名山が雄大にそびえる車窓が広がった瞬間。季節の変わり目を感じさせる車窓でした。
 であった人は、五稜郭の駅長さん。NHKの番組にも出演されたので、最長片道切符の旅をしていると言うと、暖かく出迎えてくれたのが、とても嬉しかったです。
旅の前後で、自分の中で変わったことはありますか? それはどのようなことですか?
 文章で書くのは中々難しいかも…
 一つ言えるのは、普段目に見える一瞬一瞬を大事にしたいと思うようになった。見慣れているから見ない風景でも、季節を変えたり、天気を変えたり四季のある日本では同じ風景でも、様々な表情をみせてくれるのだと。そう思えるようになったことが一番変わったことかもしれないです。
この旅の経験が、今後の生活にどのような影響を与えるでしょうか?
 まだ、何ともいえないですが、とりあえずは一生の思い出と、一生の宝になるのだと思います。