SFCを志す、全ての人に贈る新コーナー「SFC Welcome CLIP」。


 9月入学のAO入試受験生の書類提出があと半月に迫っている。何を書けばいいのか。どう書けばいいのか。まだ迷っている受験生は多いのではないだろうか。そこで第1回の今回は2005年度4月入学AO入試の2期で合格された、総合政策学部1年の伊藤亜矢さんを取り上げる。福岡出身でメディア教育に関心のある伊藤さんは、放送部での活動実績とともにSFCのAO入試を突破した。AO合格者はどのようにして自分をアピールし、合格を勝ち取ったのだろうか。今回はその合格の秘訣を伊藤さんに伺った。
SFCのことを知ったのはいつですか?
 地元で六大学の説明会みたいなのがあって、その慶應コーナーでSFCについて知りました。
志望するようになったきっかけは何ですか?
 最初、私は文学部とか法学部とかいろいろな方向に迷っていたんです。文学部で学ぶこととか、法学部で学ぶこととか、それぞれ専門的にやるというわけではなく、何か一つを追い求めるときに、その分野がどうしても必要になる時がありますよね。そういう相談を予備校の先生にしたんです。その時に、それまで気付いてなかったのですが、自分にはSFCが合うなって思って、それがきっかけです。
なぜAO入試を受けようと思ったんですか?
 どうしても総合政策学部に入りたかったんです。それで調べたら、AO入試があることを知って、受けました。
SFCのAO入試には評価書が必要ですが、誰に書いてもらいましたか?
 学校の担任の先生と、私は部活で頑張っていたので顧問の先生に書いてもらいました。
AO入試の提出書類には自分を表現するためのフリースペースがあります。伊藤さんはそこに個性的なことを書いたと聞きました。どのようなことを書かれたんですか?
 書類には高校時代の3年間のこととか、大会で何を取ったとかの結果を書くスペースはありました。でも、内面的な変化を書くところはそれほどなかったんです。それで、フリースペースに、生まれてから高校3年までのことを表にして書きました。
 それで、私は花鳥風月という言葉が好きなので、花は自分の人生を年ごとに追って、自分の取った賞とか説明を加えて書きました。月は自分に影響を与えた人とか。その中に好きだった人のことも入れて書きました。
花鳥風月というのはどういう風に区切ったんですか?
 横に花鳥風月を書いて、縦に年号を書きました。それぞれの時代に考えてたこととか、自分の心を動かした曲とか、いっぱい書きたいことはあったけど、書ききれないことを凝縮して書きました。普通の年表だと面白くないので、そういう年表にしました。
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花鳥風月の年表
では、次に面接の話を伺います。面接官の先生が誰だったか覚えていますか?
 年配の方と若い人と、環境の熊坂先生が面接官でした。
学部長ですか!?すごいですね。
 最初にみんな一つの部屋に集められて説明があったんです。そこで熊坂先生が「今日はたっぷりいじめちゃうよ。みんな合格させたいから、それにもめげずお前らがんばって応えろよ」とおっしゃられました。私はこの方とは波長が合うから、この方の部屋だったら嬉しいなって思っていました。それで、面接をする部屋の扉を開けたら偶然、熊坂先生が面接官をされていたんです。
面接はどのような感じでしたか?
 元々、SFCの面接はすごく厳しいって聞いていて、最初から泣かされる覚悟で構えていったので、あんまり怖くなかった感じで終わりました。内容はやはり志望理由書を本人が書いたのものかを確かめるために、「どうしてこういう政策案を提案したの?」とか、「これは法律的に不可能なことなんだけど、そんなのどうするの?」とか。訊かれたのは、全て対策したことだったので全部答えました。あとはフリートークでした。
圧迫面接みたいな感じはありませんでしたか?
 自分が感じたのでは特にありませんでした。
フリートークはどのような話をされたんですか?
 私がNHK杯高校放送コンテストで全国に行ったドラマがあったんです。それを自分が作ったものとして提出したので、それを見てくれて、どうしてこういう番組作ろうと思ったのとかです。あとはSFCについてどうやって情報を得たのとかです。
どうやって情報を得ていたのですか?
 先輩にSFCで学んでいる方がいて、情報交換させてもらっていました。
受験生に伝えたいことはありますか?
 まず、早めに願書を取り寄せることです。私は最初、1期に出そうと思っていました。でも、いざ書類を作り始めると、最初に見た感じと違います。全員が全員じゃないと思いますが、私の場合は自暴自棄になりました。いろいろ書くところはありますが、どうしても内容が重なるんです。「自分ってこんなに書くことがない人間なんだ」みたいに思ってしまいました。1期に出そうと思ったけど、いい加減な気持ちで出すより、せっかく2期があるからこのまま続けて2期に出そうと思いました。
 私は最初、AOを受けることを安易に考えてたんです。早く決まるからという理由もあるじゃないですか。ちょっと人より合格が早く決まるとか。だから、早く決まるのにこだわるのではなくて、どうせやるなら、1期に出そうと思ってやり始めたことでも、間に合わなかったら2期まで延ばすべきです。これなら完璧って自分の中で思えるのを出すべきだと思います。
1期でとりあえず出しておいて、という考えはなかったんですか?
 ありませんでした。落ちたら、内容を微妙に作り直さなくちゃいけないじゃないですか。そしたらまた、そこで時間がないとか、もっとできてたのにそれを出してってやってたら、上辺だけで薄いですよね。
最後に、今後の抱負をお聞かせください。
 SFCは様々な観点から夢を追求できるやりがいのある場所なので、有意義に大学生活を過ごしていきたいと思います。また、どの研究プロジェクトに入るかも、これから考えていくつもりです。
ありがとうございました。

伊藤亜矢さん

伊藤亜矢さん
 なお、6月18日(土)には、SFCで授業を体験することができる公開講座が予定されており、今回は梅垣理郎総合政策学部教授と中村修環境情報学部助教授の講義が行わる。テーマとしては梅垣教授が「政策の現場、研究の現場 東アジアと開発」、中村助教授が「インターネットと映像配信」を予定している。事前の申し込みは不要で、10:00-12:00に梅垣教授、13:00-15:00に中村助教授の講義が行われ、連続参加も可能。講義は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのイオタ館(ι11)で行われている。AO入試を受ける受験生だけでなく、一般生にもSFCの雰囲気を知る良い機会になるのはないだろうか。
 なお、公開講座は全3回で、7月2日には奥田敦総合政策学部教授教授と奥出直人環境情報学部教授、9月10日には小澤太郎環境情報学部教授と加藤文俊環境情報学部助教授の講義が行われる。