飄々と日本の音楽シーンに現れ、ヒットチャートをにぎわせるまでに成長したバンド「トルネード竜巻」。
SFCで運命的に巡り会った名嘉真祈子さん(vocal)、曽我淳一さん(keyboard)、フタキダイスケさん(guitar)、柿澤龍介さん(drums)の4人は、それぞれ別々の方向にズレているようだが・・・メジャーデビュー2年目を迎えて、彼らにしかつくれない「ポップス」を次々と生みだすトルネード竜巻のルーツ、現在、そしてこれからの夢を聞いた。

1. 本館を避けて通った学生生活
–トルネード竜巻を結成した経緯を教えてください。
曽我:僕のつくった曲を演奏してくれる人がほしいと思って、当時のロック研究会(編注:SFCの音楽サークル、現在は「元ロック研究会」)にいたフタキを誘ったのが始まりです。でも、キーボードとギターだけでは寂しかったので、4beatclub(編注:ロック研究会の隣に部室があるジャズ研究会)にいたドラムの柿澤に声をかけました。それから、当時はベーシストもいて、4人でインストゥルメンタルのバンドを組みました。1年くらい経ってから、ボーカルがほしくなったんですが、4beatclubの新入生に名嘉がいたんですね。ある日、柿澤が「生きのいいのが入ってきたよ」と言うんで、たいして歌も聞かないうちに名嘉を入れることにしました(笑)。当時は名前から学内のメールアドレスが検索できたので、名嘉に直接メールしたんです。
フタキ:懐かしい(笑)。
–SFCっぽいですね。いきなりパソコンにメールが届くなんて。
名嘉:そうそう。あんまり面識も無いのに、いきなりメールがきて驚きましたよ。しかも、私が大学1年の時で、メンバーのうち2人は4年生だったので、なおさらね。
–メンバーとの歳の差は感じられましたか?
名嘉:もう入る前からめちゃめちゃ感じてましたよ(笑)。大学生同士って、1年違うだけでも先輩意識があるじゃないですか。それが3年も離れているから「ド先輩」に見えましたね。
全員:ド先輩(苦笑)
–最初はあまり他のメンバーの方と話せなかったんですか?
名嘉:いや、話はしますけど、やっぱり恐縮してました。今よりはずっと。
フタキ:学年はあんま違わないんだけどね。
全員: (笑)
曽我:で、まあ、その後、今に至ります。
–4人になってから、曲はどのようにつくっているのですか?
曽我:曲の基本は僕が作ってきて、各パートはそれぞれに考えてもらっています。ドラムだったら柿澤君よろしく、ギターだったらフタキ君よろしく、みたいな。そういうノリです。
–結成当時の創作のモチベーションはどこから生まれていたのですか?
曽我:CDを聴いていて、かっこいいなぁと思う音を自分でやりたいっていう気持ちですね。その当時は、自分でつくりたいという気持ちが強かったんです。
–結成してすぐにライブ活動を始めたのですか?
名嘉:最初の1年間は半年に1回位、大学の秋祭や七夕祭に出るくらいでした。
–大学外でライブをやるようになったのは、いつ頃からですか?
フタキ:名嘉がバンドに入って1年ぐらい経ってからですね。
曽我:ライブハウスにデモテープを送って、ライブに出させてもらえることになったんです。当時、大学外でライブをやるバンドは「本気」と見られる風潮があったんですよ(笑)。トルネード竜巻としても、一応、その流れに乗っかったんですが、はじめは「本気」ではありませんでした。大学内で組んでいるいくつかのバンドのうちの一つ、というくらいですから。
名嘉:ただ、私たちのようにオリジナル曲をつくって演奏しているバンドは多くありませんでしたけど。
–4人が「本気」になったのはいつ頃からですか?
曽我:名嘉が入って2、3年経った頃、デモテープを送ったあるインディーズレーベルから返事をもらった時かな。
–では、4人にとって、トルネード竜巻が特別なものになったのは、デモテープが認められた時からということですか?
曽我:そうですね。
柿澤:金が絡んできたんで。
曽我:(爆笑)
柿澤:自分のお金じゃない金。そりゃもうやるしかない。
名嘉:デモテープが通った時、私は大学4年生だったんです。そろそろ進路について考えなきゃ、という時期で、自然とそういう気持ちになったんだと思います。
–ミュージシャンとして生きていくことに不安はありませんでしたか?
曽我:その時は「わーい! デモテープが通った!」みたいなノリの方が強かったから、あまり不安は感じなかったですね。まあ、ステップアップしたわけだから。
名嘉:実際は、地道に続けていたことが認められた、という意識のほうが強かったと思います。驚きや不安よりも、続けてきたことをそのまま続けようという気持ちのほうが大きかったですね。
–周囲の反応はどうでしたか?
曽我:当時も今も、親は「早く定職に就きなさい」というスタンスですね。何回も説明しているんですけれど、言葉がいろいろ通じないみたいで(笑)。「分かった。で、いつ会社に入るんだ?」って返されちゃう。
–SFCでは、音楽活動以外には何か特別に取り組まれていたことなどありますか?
フタキ:僕はロッ研(編注:ロック研究会)一筋。部長やってたんですよ、3年生の時に。
–ウェブサイトのデザインを得意とされているそうですが、そういった研究会は?
フタキ:ウェブサイトはそういう研究室に入っていたわけじゃなくて、興味を持って自分でやっていただけです。研究会はいろいろなところを渡り歩いていました。ただ、どんな研究会に入っても、音楽関係の話題につなげてましたね。
–トルネード竜巻の現在のウェブサイトもフタキさんがつくったものだと伺いました。
フタキ:はい。最近、とある知り合いに某作成ソフトっぽくなってきたと言われて心外でした(笑)。
全員:(苦笑)
フタキ:今のは書かなくていいです(笑)。
–名嘉さんの学生生活について教えてください。
名嘉:私は3年生の時に医療系の印南研究室に入りました。ちょうど介護保険法が施行された年で、タイムリーでね(笑)。でも、4年生になったらバンドが忙しくなったので、やめちゃいました。
–柿澤さん、曽我さんは?
曽我:実はね、僕と柿澤は中退なんですよ。そんな僕たちがSFC CLIPに載っていいのかなぁ(苦笑)。
柿澤:SFCの高校は出てるけどね。
曽我:僕は大学の研究会まで辿り着くことなく、旅路を終えてしまったんですよ。
–柿澤さんはどうですか?
柿澤:岩竹徹研究会で古典和声を研究しました。でもピアノが弾けないから何の役にも立たない・・・
全員:(苦笑)
名嘉:私たち、学校のことを聞かれると、みんなたじたじしちゃうんですよ。
全員:(苦笑)
フタキ:毎日、タロー坂を登って、本館の方に行くと思ったら、迂回してクラブ棟の方に行ってましたからね。(編注:SFCの地図を参照http://www.keio.ac.jp/access/sfc.html
柿澤:で、クラブハウス棟に行くと、ジャズ研の人がなぜか酒を飲んで待ってるんですよ。昼だっつうのに。
フタキ:おお来たか。みたいな。
曽我:僕なんて、家からクラブ棟に直行直帰でしたね。
–SFCに行く、というより、クラブハウス棟に行って帰る、という生活だったんですね。
曽我:そうです。まあこの2人(フタキ・名嘉)は授業の方にも出てたんでしょう。
名嘉:私たちは中途半端にどっちもやってただけだから・・・(笑)。
–印象に残っている授業があれば教えてください。
曽我:岩竹徹先生の授業に、UNIX上のコマンドラインで作曲するというのがありましたね。僕はシンセサイザーのことは詳しかったんだけど、英語が全く読めなかった。柿澤はシンセサイザーのことはわからないけど、英語ができた。だから、まずは柿澤に英文を直訳してもらって、それを僕が「きっとこういう意味だ」という風に解釈して、どうにか乗り切りました。助け合った授業です(笑)。
–名嘉さんの印象に残った授業は?
名嘉:教養でロシア語、インテンシブでマレーインドネシア語をやったんですけど、どちらもSFCならではの語学で楽しかったですね。それから一般の授業では、福田和也先生の授業が一番おもしろかったなぁって思いますね。
–フタキさんは?
フタキ:やっぱり村井純教授、竹中平蔵教授の授業がわかりやすかったですね。2人とも話し方が上手くて。
–当時、SFCの中でトルネード竜巻は知られていたと思いますか?
曽我:秋祭のステージに出ても、お客さんのほとんどがサクラでしたから広がらなかったんですね。しかも、まだオリジナル曲もあまりなかったので。
柿澤:先輩に「54-71」(編注:SFC出身のロックバンドhttp://www.54-71.org/)っていうバンドがあって、そちらは在学中から有名でしたけれどね。
–在学中のトルネード竜巻の4人は毎日のように顔を合わせていたのですか?
曽我:いいえ。あるときから週に1回は会うようになりましたが、それ以前はライブ前の3、4日くらいですよ。毎日のように顔を合わせるようになったのは、デビューしてCDを出すようになってからです。
2. 曲がぽんぽん出来る
–CDをリリースしてから生活に変化はありましたか?
曽我:やっぱり生活の中心が音楽になりましたよね。今までは自分達のペースで、年に4、5回あるライブに向けて新曲を1曲くらいつくるという感じ。でも今では、ある期日までに、例えば5曲をコンスタントにつくり続けなくちゃいけなくなった。
–2004年にメジャーレーベルへ移籍したときは、どのように感じられましたか?
曽我:意外にメンバーはあっさりしてましたよ。「喜ばないねえ」って周りに言われました。
–嬉しくなかったんですか?
曽我:メジャーとインディーズの境目は曖昧で、結局は流通形態の違いでしかないので。僕たちとしては、音楽が作れればそれで良いんです。
柿澤:メジャーにしろ、インディーズにしろ、CDを売っていく苦労は変わんないしね。
–メジャーデビューしてからの皆さんの活動が活発になったように感じられたんですが、これは意識的なものですか?
曽我:そうですね。メジャーに入ってからはある程度、コンスタントに音源を出していたいという気持ちがありました。曲がぽんぽん出来ちゃうという状況もあったし。
柿澤:月刊で出せるくらいだよね。
曽我:うん。
–今でもそうですか?
曽我:最近はぽんぽん出すのを止めました。新曲をつくって溜めておいても、さらに新しい曲ができると、みんなの関心は新しい方に向くんです。曲の新鮮さを保つためにも、録り溜めをやめたんです。
名嘉:それに、メジャーではシングルCDをリリースするので、インディーズの頃よりもペースが早まっているように見えるのかもしれないですね。
–では、皆さんとしては今まで通りのペースでやっているということですね。
曽我:むしろ、忙しいと感じていたのはデビューしたてのころだけです。シゴキみたいな時期があったんですよ。1週間で5曲つくって来い、なんて言われてね。みんなはまだ昼間に学校やバイトがあったから、夜から集まって、曲を作って、録音もして、朝方にようやく完成して、会社に走って持っていくというペースでした。
–その時の経験は現在に活かされていると思いますか?
曽我:それまでは、たとえば3日間寝ないでレコーディングをするほど集中して曲をつくったことがなかったんです。そういう経験があるからこそ、レコーディングが多少長引いても辛いと思うことはないんです。そういう意味では、活かされていると思います。
–ミュージシャンとして活躍されるようになった現在の生活スタイルやリズムを教えてください。
曽我:この世界に「午前中」はありません(笑)。時期によって細かいスケジュールはバラバラですが、レコーディングの場合は、だいたい昼の1時や2時に集まって、夜中の2時や3時に終わるのが普通です。ただ、今日みたいに取材のある日は夜の8時には終了していることだってあります。でも、プロモーションビデオやCDのジャケットの撮影は朝早くから始まることが多いので、一世一代の覚悟で朝起きる、っていうより夜寝ない場合が多いですね(笑)。
名嘉:長いスパンで見れば、曲を作る期間があって、録る期間があって、CDを出す前にプロモーション期間があって、CDを出してライブして、というサイクルです。
■音楽シーンを盛り上げたい

–最近はライブイベントの主催やウェブを使った月刊コンテンツの配信など、おもしろい試みをされていますね。
曽我:お金をかけずに発信できるというウェブの利点を生かして、大胆に音源を公開しているんです。ネットを使った活動では、情報の質よりも、スピードがいちばん大事だと思います。だから、更新はマメにやってるつもりです。たまにサボると、フタキに「仕事はできるうちにやってください」と怒られるんですが。
フタキ:根に持ってますよ(苦笑)。
–自主ライブイベントも盛んになっていますね。
曽我:僕たちが気に入った人達と仲間になって、一緒にシーンを盛り上げていければと思ってやっていることです。だから、単にバンドを並べるだけじゃなくて、僕らが他のバンドにインタビューするコーナーを設けたりして、お客さんがライブ全体を楽しめるように考えています。
名嘉:私たちのようなポップスをやっているバンドはそんなに多くない。だから、いっしょに輪を広げましょうって呼びかけているんです。
–トルネード竜巻だけでなく、音楽シーン全体が盛り上がることを理想とされているんですね。
曽我:もちろん、僕ら自身が認められることもうれしいんですが、「もっと良い音楽が聴きたい」という気持ちはトルネード竜巻のメンバーに共通しています。
–そのように思うようになったのは、いつ頃からですか?
曽我:メジャーデビューしてからかな。最初は僕たちも勉強中で、覚えなきゃいけないことがたくさんあって、知らないことを吸収するのに精一杯でした。それが、だんだん余裕がでてきて、自分達の活動を俯瞰して眺めることができるようになったんだと思います。
■アーティストとして楽しいこと

–今、トルネード竜巻のメンバーとして「楽しい」と感じていることを教えてください。
フタキ:がんばって作ったCDが店で並んでいるのを見ると楽しいです。
–トルネード竜巻のCDを自分で買うことはありますか?
フタキ:買います。もちろん、買わなくても持っているんですが、プラスアルファで。
名嘉:売り上げに貢献。
フタキ:もし試聴機に入っていたら、試聴機で聴きます。自分達の音が視聴機でどういう風に聴こえるのか、気になるんですよ。
–検索エンジンで「トルネード竜巻」と検索したりしますか?
フタキ:もう毎日。
全員:(笑)
フタキ:毎日どころか3時間に1回くらい検索してますよ。
名嘉:やりすぎだって(笑)
–何を調べているんですか?
フタキ:もしポータルサイトとかで取り上げてくれてるようだったら、どういう風に取り上げてくれているのか。ちょっと気になりますよね、ほかの人達からどういう風に見られているのか。
–曽我さんにとって楽しいことは何ですか?
曽我:レコーディングしている時がいちばん楽しいですね。
–辛くはないんですか?
曽我:辛くはないですね。曲を作ってる時は辛い時もありますけど、作り終えて、「録りまーす」っていう時は、プラモデルを作るときのような楽しさがありますね。
–レコーディングしながら曲を変えていくことはあるんですか?
曽我:ごく稀にありますけど、僕は基本的に全部作ってから、作ったものを録るというスタイルです。
–1曲を録るのにどれくらいかかりますか?
曽我:丸1日あれば1曲録れます。曲にもよりますが、1時間か2時間位で録れちゃうものもあります。みんなで一斉に「せーの」で演奏して録れば、5分で済みます。
–レコーディングで「遊ぶ」ことはあるんですか?
曽我:曲中は基本的に遊ばないですね。そういう趣旨の曲だったらやるかもしれないけど。ただ、曲の終わり方でだんだん小さくなる「フェードアウト」ってあるでしょ?あれはレコーディングスタジオでは、フェードアウトしないで演奏を長めに続けているんです。ミキサーで音を小さくしてるだけなので。だから「この辺でフェードアウトが終わってるだろうな」というところに来ると、スタジオのみんながめちゃくちゃな演奏を始めるんです。セッション大会みたいになるんですよ(笑)。それも楽しいですね。
–名嘉さんにとって楽しい瞬間は?
名嘉:レコーディングで新しい曲を録ったり、ライブで新しい曲を歌うとき、新鮮で楽しいですね。それから、撮影も楽しいですね。新しい服が着れたりするので。
                   
–ライブは緊張しませんか?
名嘉:少し前までのライブでは右往左往してましたけれど、最近は何をどうすればいいのかがだんだん分かるようになってきた。回数を重ねてきたことと、技術的にレベルアップしてきたことで、お客さんやバンドなど自分以外のことが見えるようになったんです。そういう意味で、ライブがすごく楽しくなってる。
–柿澤さんはどんな時に楽しいですか?
柿澤:僕は何でも楽しい。毎日楽しい。
曽我:楽天家ですから。
–こういう取材も楽しいですか?
柿澤:まあ、楽しくないのもありますけどね。
曽我:あるんじゃん(笑)
3. 今、SFCで良かったと思うこと

–振り返ってみて、SFCで良かったことを教えてください。
曽我:やっぱり、トルネード竜巻のメンバーがそこにいた、というのが一番でしょうね。
名嘉:私にとっても「出会い」が一番大きいです。
曽我:ロッ研やジャズ研には、プロとして活動している先輩が何人かいたので、彼らの演奏を間近で見ることができたのは一つのきっかけにはなりましね。もし、先輩が下手な人ばかりだったら、僕達もプロを目指すことはなかったのかもしれない。
–ミュージシャンを目指しているSFCの学生にアドバイスはありますか?
曽我:僕としては、どんどん録音して、いろいろなところに送った方が良いと思う。一度落とされたところへも、何回でも送りつづけたほうがいい。レコード会社に届くデモテープの量は尋常じゃないんです。どんなに良い曲でも、タイミングによっては聞き流されちゃうくらいたくさん届く。だから、自分が良いと思ったものを信じて、送り続けることです。
名嘉:私も、自分が良いと思うものを信じられたらいいと思います。音楽でも、他の道でも。
フタキ:SFCの場合、僕がそうだったんですけど、だいぶ閉鎖されているんですよ。場所が場所ですしね。僕がいま思うのは、もっと外に出とけばよかったなって。音楽をめざしているのであれば、どんどん外のライブを見に行った方がいい。プロのライブだけじゃなくて、自分と同じような大学生のライブも見に行くといいと思います。
名嘉:SFCの中にいるからこそ、何でもできそうな気がする。だから大きなことができるっていう面もあるんだろうけど。
フタキ:あるんだろうけど、音楽に関して言えば、環境が十分とは言えないから、やっぱり外にも出て行ったほうがいい。音楽以外の分野では、すごく恵まれている環境であると思うけれどもね。
■地道に長く続けたい
–これからの夢を聞いてもいいですか?
曽我:ゆっくりと地道に長く音楽を続けられればと思います。ドカーンとヒットしなくてもいいから、「ちょっとヒット」くらいでいいです。
名嘉:そうなんだ(笑)
曽我:ヒットしたらヒットしたでいいんですが、ヒットしたとしても、流されないで、自分達のペースを崩さずに音楽をやってけたらいいなと思ってます。
–新曲「言葉のすきま」はこれまでのトルネード竜巻よりも明るくポップな印象を受けました。
曽我:今回は、より噛み砕いた、分かりやすい表現の中で何ができるかを追求しました。音楽的に複雑なことはやろうと思えば誰でもできる。でも、より簡単な中でどのぐらい勝負できるかっていうところに取り組んだんです。
–ストレートでありながら実験的であると。
曽我:そうですね。表上はストレートになっていて、細かく聴くと凝ったところもある。
–音楽通もそうでない人も楽しめるわけですね。
曽我:そうですね。そういうものを目指しました。
–歌詞も分かりやすくなったと思いますが。
曽我:それも曲と一緒で、なるべくシュールやアーティスティックな比喩を使わずに詞としてまとめることを追求したんです。ただの作文にもならず、変にアーティスティックな詞にもならずっていうバランスを模索しました。
名嘉:重くも軽くもない。
–そしてそれは同世代に向けた言葉?
曽我:そうですね。
–SFCの人にも聴いてほしいですか?
曽我:ぜひ!
■フリースタイルなSFCらしさ

–最後に、トルネード竜巻が考えるSFCらしさを教えてください。
柿澤:すぐ転職する。
全員:あー(笑)
曽我:トルネード竜巻も来年くらいには転職して画家集団になってるかもしれない(笑)。
フタキ:それでも集団なんだ(笑)。
名嘉:「フリースタイル」な感じ?分かんないけど。
フタキ:変人しかいない。
名嘉:自由な校風?
曽我:その位でいいんじゃない?
全員:(笑)
–トルネード竜巻はSFCらしいと思いますか?
曽我:どうでしょう。(フタキさんに)お前はSFCっぽいよね。
フタキ:ほんとに?どういうことだろう。
名嘉:帰国子女でコンピュータができるからじゃない(苦笑)?
フタキ:環境情報学部っぽいってことか・・・。
–SFCに感謝してることはありますか?
曽我:このメンバーに出会わせてくれたこと。
柿澤:うまい!
名嘉:ほんと、出会いは大きいですね。
フタキ:それから、家畜の臭いに慣れさせてくれた。
曽我:今のは書かなくていいです。
全員:(笑)
名嘉:ほんとに面白くないから書かなくていいです。
フタキ:まだ臭いますか?
–臭います(笑)。それでは、ありがとうございました。
全員:ありがとうございました。
トル竜が「言葉にならない思い」を曲にしてくれるという企画があるみたいですね!

ニューシングル「言葉のすきま」
2005年8月24日(水)リリース!
–トルネード竜巻プロフィール–
●バンド・プロフィール
大学の音楽サークルのメンバーで1998年6月結成。 曽我(key)、フタキ(gtr)を中心にインストゥルメンタル・バンドとして活動を開始。 活動開始と同時にオリジナル楽曲の制作を始める。 その後、ドラムに柿澤、ヴォーカルに名嘉を迎え現メンバーとなる。
2003年にインディーズ(colla disc)でリリースした2枚のミニアルバムは、 いずれも外資系レコード店週間チャートにランクイン。
2004年2月18日「ブレイド」でビクターエンタテインメントよりメジャーデビュー。 同年6月16日には初のフルアルバム「アラートボックス」12月16日にはミニアルバム「Fairview」をリリース。新たなポップスを目指す、新時代アーティストとして注目を集める。
2005年5月21日には直球ストレートなメッセージソング「パークサイドは夢の中」をリリース。
また、2005年4月より「楽しい音楽をもっと聴かせたい!」という想いから自主イベント「One night robot Kicks the rock」をスタートさせる。「未来に価値のある音楽を繋いでいけるイベント」というテーマのもと現在進行中!
●メンバープロフィール
名嘉 真祈子(NAKA MAKIKO)Vocal / 1980.2.1 / 沖縄県 /AB
曽我 淳一(SOGA JUNICHI) key / 1976.5.23 / 神奈川県 / A
フタキ ダイスケ (FUTAKI DAISUKE) Gtr / 1978.1.5 / 愛知県 / O
柿澤 龍介 (KAKIZAWA RYUSUKE) Drums / 1976.7.21 / 神奈川県 / A

–ディスコグラフィー–
インディーズ1stミニアルバム
「One night robot kicks the rock」
CLA -60007/1300円(tax in)
インディーズ 2ndミニアルバム
『AnalogMan fill in the blanks』
CLA-60011 1600円(tax in)
メジャーデビューシングル
『ブレイド』
VICL-35616 1050円(tax in)
2nd シングル
『恋にことば』
VICL-35656 1050円(tax in)
1st フルアルバム
『アラートボックス』
VICL-61399 3045円(tax in)
1st ミニアルバム
「Fairview」
VICL-61549 1365円(tax in)
3rd シングル
「パークサイドは夢の中」
VICL-35825 1050円(tax in)
–ライブ情報–
『トルネード竜巻 presents "One night robot Kicks the rock" vol.3』
8月23日(火)@下北沢CLUB Que
開場18:30/開演19:00
前売2300円(税込/ドリンク別)
出演: トルネード竜巻、朝日美穂、Quinka,with a Yawn
チケットプレイガイド:チケットぴあ、LAWSONチケット、CLUB Que
[問]スピードスターミュージック 03-5775-2163(※土日祝日は除く)
『loft presents "UNDER THE INFLUENCE"』
9月20日(火)@新宿LOFT
開場18:00/開演18:30
前売2000円/当日2500円(税込/ドリンク別)
出演: トルネード竜巻、on button down、STUDIO44、スクイズメン、papa's milk他
チケットプレイガイド:チケットぴあ、LAWSONチケット、新宿ロフト
[問]新宿LOFT (03-5272-0382) http://www.loft-prj.co.jp
9月28日(水)@心斎橋sunsui(燦粋)
開場18:00/開演19:00
前売2,500円/当日2,800円(税込/ドリンク別)
出演:トルネード竜巻/SCARLET/pop chocolat
チケット発売日:8月21日(日)
チケットプレイガイド:チケットぴあ (0570-02-9999)、LAWSONチケット(0570-06-3005)
イープラス http://eee.eplus.co.jp
[問]清水音泉(06-6357-3666)
http://www.listen.co.jp/sp/235/LMS_tatsumaki_050822.html