SFCの一般入学試験日が近づいている。最後の追い込みに必死になっている受験生も多いのではないだろうか。今回のSFC Welcome CLIPはSFC CLIP編集委員からのアドバイスをお届けする。各編集委員のアドバイスを参考に、万全の体勢で試験に臨んでもらいたい。SFCは君を待っている。


秋田万里絵(総合政策学部3年英語受験)
 私の大学受験において、試験で最も心配なのが『腹痛』。寒さやストレスによって引き起こされる。故に、どの大学の試験会場であっても必ず最初にすることは「トイレの場所確認」であった。テスト終了のチャイムが鳴るや否や真っ先にトイレダッシュしたものである。
 休み時間は、全国から集まったつわもの達が論文執筆のために作った資料のチェックなどしており物々しいオーラをかもし出していた。ここまで来たらあとは野となれ山となれ、リラックスして楽しむのみである、という考えの持ち主であるため、外のグラウンドに友達と散歩しに行ったり、受かった暁にはどのサークルに入るか、等を賑やかに喋っていた記憶がある。私は、どうしてもSFCに入りたかった為、試験後は「採点会場に忍び込んで不正を働きたい」とか「落ちたら本館前の噴水にダイブして死ぬよ」など物騒なことを口にしていたが、どうにか無事総合・環境共に合格し、今のこの生活にいたる。
 特に小論文は、自分が楽しいと思える文章を書いてください。採点者も人間なので、多分その方がお互い幸せだと思います。健闘を祈ります。
天野将仁(環境情報学部1年数学受験)
 僕が受験したときに一番重要だと思ったのは試験と試験の間の休み時間だ。ここの時間でいかに落ち着けるかで次の試験の出来が変わってくる。正直、試験会場で勉強してもなにも変わらないと思う。だから、休み時間はリラックスできるように、音楽を聞いたり本(漫画でもいいと思う)を読んだりして過ごすといいと思う。実際、僕は休み時間に慶応の校舎を探検したり、受験生のかわいい子を探したりして過ごし、そのおかげで小論文を落ち着いて挑むことが出来た。
 あとは、「受験を楽しむぞ!」というぐらいの気持ちで受けてほしい。ものすごくシリアスになって受けても結果はでない。それでは、今まで自分のやってきたことを信じてがんばってほしい。
田中康範(総合政策学部2年英語受験)
 ただでさえ長丁場の試験時間である。日吉校舎の堅いイスがお尻を痛くするかもしれないが、痛くなるほど合格に近づいている。そう思って痛みの余韻を楽しむのもいいではないか。痛いと思ったら体勢を変えて視線を上げてみよう。そこには春からお世話になるはずの教授が座っているかもしれない。
平野雄大(総合政策学部3年英語受験)「両日の気温差に注意」
 私は福岡から総合・環境を両方とも受験しに来たのですが、ちょっと前日横浜で遅くまで遊んだのが祟ったか、初日の総合の受験で寝坊してしまい、試験会場に着いたのは開始ギリギリ。そこで二日目、環境の試験では余裕を持って早めに試験会場に向かったのですが、前日よりもかなり冷え込んでおり、試験までの長い時間を冷気に当たっていたために調子を悪くしてしまいました。
 試験当日は外の温度をよく確かめて、快適な装いで余裕を持って会場に向かってもらいたいですね。ちなみに総合には受かり、環境には落ちました。
山本恵太(総合政策学部1年英語受験)
 受験で意外と気になるのがトイレの存在。なぜか試験より、人の少ないトイレを見つけることに燃えていた私からアドバイスです。せっかくの休み時間なのに並んでいただけで終わってしまったり、我慢して試験に臨んだら…なんてことは無きにしもあらず。会場に着いたらすぐ試験会場として使われていない階や建物など、空いているトイレがないかチェックしておきましょう。
さて肝心の試験ですが、私は英語を神のお告げに従い解いた後、なぜか持っていた靖国神社の鉛筆で国旗国歌の問題を解きました。問題を見たとき、笑いを堪えられなかったのは言うまでもありません。そして「私は今、靖国神社の鉛筆で書いている」と書きました。人間、正直が一番です。ちなみに解答の要旨は、偏った思想を生む教育は良くないというものでした。小論は何が問われているのか、出題者が求めていること狙っていること、そして資料の持つ意味をじっくり考え、自分が書ける最高の答えを導き出しましょう。
 私はWebでの発表が待ちきれず三田キャンパスまで見に行きましたが、自分の受験番号を見て涙したものです。Webで確認し、電話で確認し、家族で再び見に行きました。皆さんもそんな感動を味わってください。4月に会えるのを楽しみにしています。
渡辺士郎(総合政策学部1年英数受験)
 私は関東の受験時期ホテルではなく友人宅に泊まっていました。ホテルは一人だし、余り落ち着けないので知り合いが関東にいる人は頼るのもいいと思います。
 総合政策の試験前日、急に持病持ちの耳が痛くなり、試験会場の日吉近くにある耳鼻科をYahooで検索した結果、佳久耳鼻咽喉科医院という病院が9:00に診察開始するということがわかり、当日8:30ごろに到着するも既に人が並んでおり集合の9:30はおろか試験開始の10:00に遅れそうでした。しかし、9:00頃に初診のために書かされる個人情報に地元の住所を真面目に書いて看護婦さんに「現住所でお願いします」とたしなめられたところに、「今受験で関東に来てるんですよ、これから日吉で試験なんですが」と告げると、優先して診察してもらえることになりました。診察といっても病名を告げ、痛み止めの薬を塗ってもらい、飲み薬を薬局に行って処方してもらうだけなのですぐに終わりました。
 何とか集合時間にも間に合い、英語数学の試験を解きました。私は数学で思考の迷宮にハマって時間を浪費することを恐れたので、英語を先にじっくり時間をかければ落とさないような問題を特に意識を割いて解くことにしていました。当日は何故か英語が恐ろしいぐらい詰まることなく普通に解け、数学も私が得意なタイプの問題でありハマらず解け、とりあえず見直しを念入りにしました。
 午後からの小論文は国旗国歌について問1は自分の経験、問2は日本という国家視点から書けというものであり、問1は小学校時代の経験から君が代の歌詞の意味について担任に尋ねたがはぐらかされた云々、問2はドイツは他の国に配慮して昔の、国歌の1番であった部分は現在では歌っていないため、日本もそれに倣い云々などと書いた記憶があります。対策が特に必要といわれるSFCの小論文ですが、私はいわゆるテンプレート小論文、1.最初に主張、2.それに対しての反例、3.反例に対しての最初の自分の主張の方が説得力があるといえる具体例、4.結論という形で問1も問2も書きました。まず自分が主張したい最終着地点を定め、そこから不必要にぶれないようにすることが重要だと思います。そこさえ抑えていれば、書き方については余り問題ではないのではないでしょうか。
 ちなみに合格発表は国立二日目が終わり、家族で大阪のお好み焼き屋の行列に並んでいる時に携帯で聞きました。耳が悪いので(笑)、「バンハ、ゴウガクデス」という合成音声を何度も何度も確認しました。
伊藤可久(環境情報学部1年数学受験)
 SFCの入試といえば、小論文です。3時間かけてじっくり表現して欲しいと思います。
 このキャンパスでは「自分の意見がある」上に、「行動に移せる」学生のための環境を用意してくれます。小論文の試験は、その適性検査です。無難な内容でまとめた文章からは何も伝わってきません。皆さんは、自分の意見を自分の言葉で表現しなければなりません。自分がSFCという環境を活かせることをアピールする、そんな作業なのだと思っています。
 難しく考える必要はありません。素質は皆が持っています。背伸びはいずれバレるので、等身大の自分をぶつけるだけです。自分の意見を真っ向から受け止めてくれる貴重な機会なので、思う存分書いてください。見えない読者にぴったり100%の自分を見せてあげれば、良い結果は出ると思います。
 鴨池の畔の桜の花の下で、皆さんにとってかけがえのない4年間が始まることを期待しています。
渡辺裕作(環境情報学部4年、2年次総合政策学部から編入)
 もう4年も前の話である。具体的なアドバイスをする立場にはない。ただ今受験勉強と入試を思い出してみれば、受験勉強はSFCに入るためのトレーニングであったということ。入学すれば、小論文より長い文章を書かされ、超長文と言われていたSFCの英語がかわいく思える英文を読まなければならない。
 トレーニングと考えれば、受験勉強は決して苦にはならないはずだ。そして、入試の日はそのトレーニングの結果をジャッジする日。それが2回もある。緊張せず、楽な気持ちで受けて欲しい。まじめに努力した人は必ず救われる。