授業中の飲食について調査を続けていたwaseda隊員は、岡部光明総合政策学部教授からメッセージを戴いた。そして詳しい話を伺うため、インタビューを行った。今回はその模様をお届けする。果たして結論は出るのだろうか。


隊員:授業中の食事についてどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。
岡部:まず、どういう場面で食事をするのかを明確にしなければいけません。加藤寛先生は「SFCは遠いから、研究室でサンドイッチを食べながら熱い議論をしている」と仰っていました。それは良いんです。我々の会議だって、昼ごろにみんなでお弁当を食べながら議論します。私がやっているセミナーでもそうです。しかし、講義で講師が一生懸命話している場面では望ましくはないわけです。
隊員:授業中に限り、食事はすべきでないということですね。
岡部:理由は3つあります。まず匂い、音、緊張感という点で全員に迷惑をかけることです。もう一つは、1時間2時間くらい食べなくたって死ぬわけじゃないということ。プライオリティの問題です。3つ目が社会的に見ても話している場面では講師に敬意を表するというのがルールだということです。授業が食事時間にかかるのは1週間に何日かあるのかもしれないけれど、自分で食事時間をずらしたり、10分の休み時間で食べたり、小分けにするべきです。
隊員:個人的な時間割を言うと、水曜が2限から5限まで、木曜が2限から4限まで、金曜が2限から4限までの3日間です。いくらSFCで授業中に食べるという習慣があったとしても、授業や教室の大きさにもよります。だから2限から5限まで何も食べられないということもあるんです。そういうことも考えると、今の現状はなかなか学生に厳しいと言えます。
岡部:2限から3限の間は20分ですね。20分もあれば対応できると思うんですよ。先に買ってきて食べるようにするとかね。
隊員:学生の立場からすると、良い席をとれるようになるべく早く席に着きたいわけです。そうすると実際には20分もないんです。
岡部:それは重要ですね。コンサートでも、A席、B席があってS席に座りたい。私の授業でも後ろの方のD席は埋まってるけど、S席が空いてる。S席があるのに何で座らないのと(笑)。解決策としては、別途に買うということですね。駅前のコンビニで買ってくるというのが私の解決策です。
隊員:そうですね。学生としても対応し得る余地はあると思います。しかしながら、昼休みが20分というのは他の大学から見てもかなり少ないように思えます。
岡部:それはそうです。日本の大学はそうかもしれません。ただ、授業をやっていたペンシルバニア大学では昼休みなんてありませんでした。というのは、彼らは授業がかなりばらけているからです。お昼にかかる授業もあればない授業もあるんですね。
隊員:それは通学環境の問題があるのかもしれません。僕は都内から片道2時間をかけて通っているので、なるべく学校はまとめて来たいんです。そうするとばらして授業をとるというのがなかなか難しくなります。岡部教授は授業中の食事を禁止にすべきだとお考えですか?
岡部:統一見解はないというのが私の意見です。以前にも学生がこの問題を取り上げようとしたことがありましたが、流れてしまいました。「触らぬ神に祟りなし」というかみんなあまり触れたくない。言い出したら収集がつかないからでしょうね。それはSFCの状況を良く表しています。ただ、ルール化すべきだとは思わないし、出来ないでしょう。私のような意見があって、それが原則であるという合意が教員にあればいいと思います。
隊員:CLIPの代表が4年生なんですが、以前に比べて食事をする人が減っているという話をしていました。
岡部:それは何が要因なんでしょう。真面目になったのからかな。私のメッセージが知らぬ間に伝わったのかね(笑)。
隊員:SUBWAYやタブリエなど、食事をする場所が増えたからかもしれません。それにやはり、授業中に食事をするというのは決して自然な行為ではありませんから、そういう自覚というのが出来ていているのかもしれません。
岡部:なるほど。それとね。コンピューターによるノートとりはね…。
その後もパワポの使い方、SFC生の勉強量はまだまだ足りない、オフィスアワーが機能していないのではないか、などなどインタビューは続いたが、今回の記事では割愛させていただく。本企画のために時間を割いていただいた岡部教授には、この場を借りて改めて謝辞を申し上げたい。

3回にわたってお送りした「授業中の飲食」についてだが、最終的な結論はやはり学生自身が出すべきだという結論に達した。am/pmの開店に加え、タブリエが店頭販売を始めるなど、キャンパスの食環境も変わってきている。教員からの意見も真摯に受け止め、SFC生としてどうあるべきか考えていく必要があるだろう。
 特捜CLIPでは今後も調査を続け、変化があり次第報告したい。