今年の2月20日(月)に始まった蓮村俊彰さん(環3)の世界一周写真撮影紀行。目下、予期せぬ戦争のぼっ発にもめげずに旅を続けている。今回の便りは、元イスラエル領、エジプトのシナイ半島から届いた。

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 SFCの皆様、こんにちは、蓮村です。皆様はもう夏休みですね!いいですね!自分も夏休み欲しいです。休学中の身なので休みが無いんですね。日々馬車馬の如く働いております…。すみません、嘘です。昨日シナイ山登って朝日を見ていたら昼夜が逆転してしまい今日は寝過ごしました。午前中を逃すと暑すぎて何もする気になりません。洗濯したり機材の整備したりこれを書こうと思います。
 そうなんです、シナイ山と言えばシナイ半島、シナイ半島と言えばエジプトです。シナイ半島は一時期イスラエルに占領されていましたが、今では元気にエジプシャンしてます。イスラエル領のままだった方が旅行しやすかった疑惑ですが、まあ、物価安いのでいいです。
 そんな中東の問題児イスラエル君は自分がトルコでシリアビザを取得した次の日くらいに戦争を始めてくれました。ガザ侵攻とレバノン侵攻ですね。レバノンはシリアの属国みたいなものらしいですし、イスラエルの侵攻の直接の原因になっているヒズボラの暗黙の支援者であるシリアも危うい?と色々な噂が飛び交っていました。しかし筆者は国境で出逢った法学部OBにして現在法科大学院在籍の塾生と共にヘラヘラしながらシリア入りしました。
 入ってしまえばなんて事無かったですね。街中でヒズボラの旗を振っているシリア人がましたが、レバノンから逃げてきた難民、外国人がホテル価格を高騰させているくらいでした。シリア人は皆優しく、キョロキョロしていると大抵助けてくれます。
 しかし状況は不安定なのでお目当ての遺跡だけ訪れてさっさとヨルダンに抜けました。ヨルダンは国民の7割がパレスチナ難民ですが、国家自体はイスラエルと和平を結んでいるので安全という事です。ただパレスチナ難民と思しきタクシードライバーなんかは必要にイスラエルバッシングを繰り返したりと、国民感情的にはシリア以上に穏やかでは無かったですね。
 ヨルダンからエルサレムに行きたかったのですが、状況が状況なので、エジプトに先に行く事にしました。全然ニュースとか見ていない日本人がブリブリエルサレム入りしていましたが、まあ、自分の予定ではまたカイロでピラミッド見た後ヨルダンに帰ってくるので、それからでいいかと。長期化はしない戦いだとの見方が強いですしね。
 そんなわけで紅海を渡ってヨルダンからエジプトにやってきました。紅海、綺麗です。南太平洋でもカリブ海でも大西洋でも地中海でもアドリア海でも死海でも泳がなかった自分ですが、紅海でも泳ぎませんでした。決して泳げないわけじゃないですよ。平泳ぎでよければ2,3時間泳ぎとおせます。全盛期の話ですが。今は知りません。
 今は、日本を出てからはや5ヶ月。体力に問題を感じ初めて3ヶ月。原因はたまにかかる食あたりと野菜不足のようです。欧州じゃファーストフードかお菓子ばっかり食ってましたからね。領収書にお菓子と書くと経費清算で余りよくないらしく、全部"食料"と書いてます。アイスクリームも食料です。ポテトチップスは朝ごはん。
 夏休みなのにこのコラムを読んでしまった貴方はきっと中東に逢いに来てくれるに違いないと信じてます。
 今後、カイロでインドビザを取り、ギザの3大ピラミッドくらいを見て、シリアのビザを取り直し、ヨルダンへ。ヨルダンでパキスタンビザを取り、エルサレムへ足を伸ばし、再びヨルダンへ。このルート以外だとイスラエルの入国スタンプが付いてしまいシリアやイランに入国出来なくなってしまいます。
 シリアにいったら、前回断念したゴラン高原に行き、さっさとトルコまで戻ります。トルコでイランビザを取ってイランへ。本当はウズベキスタンに行き、キルギス、ウイグルと行きたいのですが、中央アジアビザは難しいようなので、パキスタン、インド、ネパール、チベットと行くかも知れません。
 あと半年くらいですね。
 南米のチリから始まった自分の旅、そろそろ半分くらいのようです。長いような短いような。旅の途中でもう6年も旅をしている人や気が付いたら30歳になっていた出国時26歳の人、自転車で世界一周中の通称チャリダーに会ったりしました。
 世界に出ると、日本では会えない(日本にいないから)人達に逢えて結構楽しいです。世捨て人みたいな人や、詩人みたいな人。素で人生を投げてる人、海外でスキューバインストラクターをしながら旅を続けている人、アクセサリーを安い場所で買って高い場所で売りさばいてる人、YAHOOオークションで売ってる人、ロンドンで不法就労してた人。世の中色々です。有難き読者様の中には就職失敗しちゃった人がいるかもしれません。でも心配要りません。人間はどこでも生きていけます。それも結構楽しく。
そんな楽しい旅行記はこちら
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