藤沢駅前にビックカメラがオープンした。今まで近場になかった大型家電量販店の出店は、SFC生にとって嬉しいニュースとなろう。


 パソコン周辺機器や携帯電話、さらには家電製品が近くで手に入ることは一人暮らしの学生にとっては便利なことである。さらにビックカメラ藤沢店は電化製品以外にも音楽ソフトや酒類なども取り揃えた「専門店の集合体」だ。今回の出店はSFC生にとってどんな意味があるのだろうか。

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南口側から臨む藤沢駅北口方面-8月4日
▽駅前の一等地に現れた巨大な家電量販店
 今回のビックカメラの出店は藤沢駅前の人の流れを変えそうだ。これに関連し藤沢市産業振興課はタウンニュース藤沢版で「駅前から、周辺商店街まで、利用者の回遊性が高まるくらい波及効果があるといい」と駅前の活性化に期待感を示している。今回の出店で実際にはどのような影響が出てくるのだろうか。
 ビックカメラ藤沢店は2月に撤退した丸井藤沢店跡のビルに入居した。実は駅前の百貨店や専門店などによる大規模小売店舗の跡地利用というテーマは、藤沢駅前に限ったことではない。埼玉の丸井川越店跡の開発に際しても、ヨドバシカメラの出店を希望する声や「パチンコ店などの進出だけは辞めてほしい」との声があったとインターネット新聞「JanJan」が報じている。これは丸井藤沢店撤退の決定後に大手ソーシャルネットワーキングサービス「ミクシィ」の掲示板で見られた家電量販店の出店を期待する声や、パチンコ店の出店を懸念する声とも重なる。

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閉店した丸井藤沢店-2月10日

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開店準備が進むビックカメラ藤沢店-8月2日
 丸井は積極的な店舗のスクラップ&ビルドを繰り返している。また小売業の郊外出店で求心力を失った駅前の百貨店が閉鎖されることもあるため、駅前にぽっかりと大きな商業用地が空くことが近年増えている。この跡地利用には同業・他業種の小売テナントが入居したり、パチンコなどのレジャー施設が入店するなど幾つかの類型に分けられるようである。中でも横浜三越跡に入居したヨドバシカメラの事例は、今後の藤沢駅前を考えていくうえで参考になりそうだ。
▽横浜三越跡ヨドバシカメラのお話
 神奈川新聞は1月に「周辺に影響ジワリ/ヨドバシ開店から1カ月余」という記事で、ヨドバシカメラの開店が周辺に与えた影響を調査し報道している。記事によると、駅西口からヨドバシカメラ横浜店までの動線上にある地下街の飲食や食料品店の売り上げが10%-20%伸びた一方、競合する玩具店などでは売り上げが激減しているという。それぞれの店舗で明暗が分かれている様子が伺える。
 藤沢駅前にビックカメラお得意の家電でがっちりと競合する店舗はないものの、時計店や酒屋などビックカメラと競合する店舗が駅前や近隣の商店街には多い。CD売り場などは南口OPAのタワーレコードにも負けないほどの売り場面積があり、南口東急プラザのタハラなども含め客の取り合いになるだろう。このような競合関係は我々にとっては選択肢が増えて便利な一方、既存のお気に入り店舗の危機にもつながる。北口に出現した巨大な専門店の集合体は、色々な面で藤沢駅前のあり方や我々SFC生の生活にも大きく影響を与えそうだ。