SFCの卒業生、教職員、在学生が出会うイベントとして2002年11月23日(土)に初めて開催され、今年は日吉キャンパスでの初開催に挑んだSFCホームカミングデイ(HCD)。この一大プロジェクトをつくりあげる実行委員会(主催の義塾(事務、教員)、共催のSFC三田会(卒業生)、在学生で構成)の活動はまだまだ知られていない。今回、2006年のHCD実行委員の澁川修一さん(99総卒)に話を伺った。


今回のHCDの感想をお願いします。
 日吉で連合三田会大会との同時開催というチャレンジだったが、昨年の来場者アンケートの反応を活かして時間・場所を余裕を持って設定し、様々な企画・パーティ内の仕掛けを準備した結果、参加者の皆さんには楽しんで頂けたのではないかと思う。また、連合三田会大会に参加した一般の塾員からも、「SFCの展示や模擬店は面白かった」という感想をいただいており、SFCの活動の一端を知って頂くという当初の目的は達成できたのではないかと思う。ただし、秋祭と重なる等、来場者数が伸び悩んでしまったのは残念であった。昨年のORFでもそうだったが、イベントリソースの重複を防ぐ意味でも、また参加者に他の世界を体験してもらうという意味でも、他イベントとの同時開催というのは今後のHCDの一つの方向性になるのではないか。
今回のHCDの成功点をお願いします。
 何よりまず、参加者に楽しんでもらえた点があげられる。来場者からも事後(集客数を除けば)各企画に対しては概ね好意的な反応を頂いている。また、HCDに来場頂いた安西塾長はじめ慶應義塾当局、また連合三田会大会の一般参加者に対して、HCDパーティや各種の展示企画を通してSFCも慶應の一部なのだという存在をしっかりアピールできたのは成功点といえる。今後のSFC、そして卒業生が慶應の塾員ネットワーク内で活動していく中での地歩を築くことが出来たのではないかと思う。
「HCDの今後の課題」を教えてください。
 HCDに来る卒業生は、大きく分けて「卒業直後の層」「30歳過ぎで余裕が出てきた層」に大別されており、今回もその傾向が確認されている。SFCの卒業生が13000人を超える中での今回の来場者数は少ないと言え、特に参加が少ない卒業3-8年目の層にどのように働きかけるかを来年度への引き継ぎの際に重点的に検討していくことにしている。
 広報活動について言えば、連合三田会大会と合同でHCDを行うことの意義をSFC卒業生に説明しきれなかったことが反省点であり、来年度への改善点であるといえる。来年度のHCDがSFCで行われるか、また連合三田会大会と合同か、昨年のようにORF時の開催になるかは現時点では未定であるが、開催場所はともかくとして、ハガキ到達率の向上、メールマガジンなどによる周知の徹底を行うために、卒業生の連絡先の把握は、SFC三田会の今後の重要な課題と考えている。
 今回のHCDでは研究会ベースでの集客を目論んでおり、今回は希望する研究会にテーブルを確保する・二次会の会場を斡旋する等の施策を行ったが、学会シーズンとの重複、あるいは既にOB/OG会を開催済・スケジュール済等の理由で教員の来場自体が少なくなってしまい、結果的に卒業生の来場者自体も少なくなる結果となった。今後は各研究会やサークルのOB/OG会開催状況を退職教員を含めて事前に把握しておくことなどを通して、SFC三田会としても円滑なHCDとOB/OG会の両立に向けた取り組みを行っていく必要性を感じた。
 なお、私見だが、SFCの教員の中にも「日吉にはなじみが薄い」と参加を敢えて見合わせるケースがあり、その種のSFCの島意識のようなものに対しては、卒業生・教員を問わず、今後ねばり強く意義を周知していくしかないのではないかと思う。
 また、今回は秋祭とバッティングし、なおかつORFの一ヶ月前ということで学生の手伝いや協力が得られにくいという弊害が生じた。今後はSFC事務室も交えて、例年開催される物については、慶應義塾全体のスケジュールとSFCの行事スケジュールを考慮の上、リソースの重複を防ぐ努力が必要となるのではないだろうか。