5月28日(月)、武蔵野大学の学生食堂でO157による集団食中毒が発生しました。食中毒は気温の高い時期に発生しやすいものですが、O157には今の時期から注意が必要です。一人暮らしの方は特に衛生管理に注意しましょう。


■O157とは
 腸管出血性大腸菌の代表的な細菌で、毒性が強いため感染すると死亡することもあります。また感染力が強いのも特徴で、通常の食中毒は100万個以上の細菌が体内に入らないと発症しませんが、O157は100個程度で発症してしまいます。そのため二次感染が起きやすいのも特徴で、1996年には感染者が1万人を超えました。
 157の生存条件として、以下の事柄が挙げられます。
・水にも負けず、土にも負けず
・冷蔵庫でも生きている
・胃酸にも負けない
■感染経路・時期
 O157は糞便やそれによって汚染された水、食物を介して感染します。汚染された湖水を飲んだために感染した例も報告されています。通常は初夏から初秋にかけてが食中毒の感染時期となりますが、O157は感染力が強いため、気温の低い時期でも感染してしまいます。感染原因と推定された食品には、そば、メロン、りんごジュース、ヨーグルト、マヨネーズなどがあります。
■症状
 4-8日の潜伏期間があり、激しい腹痛を伴った下痢が起こります。その後、血便になり、発熱など合併症を引き起こす場合もあります。成人の場合、5-10日間で症状は治まりますが、1-2週間ほど腸内に細菌が残るため、二次感染に注意が必要です。なお、下痢止めを服用した場合、毒素が排出されなくなるため、死に至る危険があります。
■予防
・基本は排便後、食事の前の手洗い
・O157は熱に弱いため、75度で1分間加熱する
・肉汁や魚の汁が他の食品に付かないようにする
・冷凍食品の自然解凍は避け、冷蔵庫や電子レンジを利用する
・抵抗力の少ない人は、生レバーなど殺菌されていないものを避ける