5年ぶりに復活するこのコーナー。留学を考えるSFC生に向けて、短期留学から長期留学まで、さまざまな国での留学体験をお届けしていきます。復活第1弾となる今回は、ロンドンに短期留学をしたY.Y.さん(環3)の体験談です。


 9月2日から3週間、イギリスのロンドンに語学研修に行ってきました。もちろん勉強目的で。と言いたいところですが…実際は「ロンドンに行きたい!」というのが先にあったというのが本音。
 短い期間でしたがクラスメートにも天気にも恵まれ、盛りだくさんのロンドン生活でした。今日はその中からとくに印象的だったことについて、いくつか取り上げてみたいと思います。

●住まい●
 ノッティングヒルにある寮に滞在していました。これまでにホームステイの経験はあったということもあり、寮を選んでみました。安さだけがとりえの寮で、なんというか、部屋にあるのはベッドと洗面台とテーブルのみ、という不便というか良く言えばシンプルというか。しかも共有のシャワールームがこれまた女子泣かせの狭さ。腕をまっすぐ伸ばすことなんて出来ません。初日は「このシャワーで3週間過ごすのか」と絶望すら感じたわけですが、まあ2日もすれば慣れます。人間ってすごいですね簡単に慣れます。

●食事●
 朝食と夕食は寮滞在のオプションとして付いてきます。しかしこの食事、お察しの通り涙が出ちゃうほど美味しくない。なんというか、味付けが単純で基本的に塩味が強く、茹で時間が長いので野菜などふにゃふにゃなのです。
 やっぱりイギリスの料理は噂に聞いていたとおり不味いのか。そう思っていた矢先、クラスメートにパブとレストランに誘われて行ってきたのです。どうやら、不味いのはイギリス料理なのではなく、寮の食事だったよう。外食をしてみたら食事が美味しくてびっくりしてしまいました(ただし、高い。日本で 800円くらいのものが2000円はする)。

ロンドンには至るところにパブがあり、大人なら誰もが気軽に立ち寄りってお酒を飲みながら雑談をします。日本と異なるのは座席が非常に少なく、みんな立ち飲みだということでしょうか。またウエィトレスなどの従業員はおらず、バーテンダーに直接オーダーしてその場でお金と引き換えにドリンクを受け取るというシステムです。
 いきなりですが、日本人の女性は非常にモテます。私も例に漏れず、これまでの人生で最もモテた3週間といっても過言ではありません。パブで飲んでいれば、まるで映画のような口説き文句を言いながら近づいてくる男性多数。そして気軽にお酒をおごってくれます。日本だったらもちろん逃げますが、郷に入ればなんちゃらというわけで、私も気分よくお酒をおごってもらってしまいました。英会話の勉強にはなったと、たぶん思います。
●交通●
 交通手段のメインはバスと地下鉄。ロンドン市内を路線が網羅しています。時間通りには来ないし、運転は荒いし、乗り降りの時間は短いですが(日本のように乗客が一時的に下車してくれないので、混雑する電車から降りるのは一苦労)、そうは言っても非常に便利です。
 というのも、バスが24時間走っているのでどんなに夜遊びをしても帰れるのです。またロンドン市内には観光名所やショッピングができる場所などが集中しているので、バスと地下鉄をマスターすれば大抵の名所にスイスイ行けますよ。
 ちなみに地下鉄の初乗りは4ポンド(約1000円)と高額ですが、「オイスターカード」という日本のPasmoのようなカードを使えば、週20ポンドでバスと地下鉄が乗り放題になります。これを利用するのが一番経済的な方法でしょう。

●クラスメート●
 語学学校に通っていました。多くが大学生などの短期留学かと思いきや、10年以上看護師をやっていたけど辞職してロンドンに住んでいるという女性、仕事が嫌になって5年間ロンドンで暮らす予定だという男性、仕事を変えたいので気持ちを切り替えるために留学している女性など、社会人のクラスメートばかりでした(心なしかみんな仕事関係で疲れている!?)。
 おかげで会話をしているだけで人生勉強。フランス、イタリア、イラン、韓国、ハンガリー、コロンビアなどなど、世界各国から集まるクラスメート。SFCでインテンシブ朝鮮語を履修していたお陰で、変な韓国語を披露してぐっと仲を縮めることができたように思います。授業が15時に終わるので、クラスメートともに金曜日の夜にはクラブで踊ったり、テムズ河のほとりを散歩したり、地域のフェステバルに参加したりと、とても充実していました。

古いものと新しいものが混在するロンドン。特に、「都会好き」な人にはピッタリだと思います。普通に過ごしていれば危険な目にあうこともないし、物価がやたら高いことを除けばとても過ごしやすい街。買い物もお酒も歴史も観光もギャンブルも、すべて堪能できますよ。またお金を貯めて、行きたいなあ。滞在時間が短すぎました。帰国して早2週間、すでにロンドンシックなのです。