22日(金)、清水浩環境情報学部教授が代表を務めるSIM-Drive社が、第1号となる先行開発車の開発に着手することを明らかにした。Eliicaで培われたインホイールモーター技術を用い、2013年頃をめどに量産体制の確立を目指す。

集合写真

第1号となる今回の先行開発車は、航続距離300km、電池を除く車体価格は現行車並みを目指すという。車格などその他事項については、参加機関との協議の上決定するとしている。

清水教授

同社は電気自動車(EV)技術の普及促進を目的とし、2009年8月に義塾発のベンチャー企業として設立された。現在海外企業2社を含む34機関が出資し、30年に渡る清水教授の研究成果を基盤に、量産化に向けた先行開発車の開発に取り組む。「オープンソースの手法」で技術の普及を図るとし、参加機関は開発成果を等しく得られるという。
 参加機関の中には地方自治体や部品メーカーの他、大手自動車メーカーのいすゞ自動車や三菱自動車工業も含まれている。いすゞ自動車は2009年8月より義塾電気自動車研究室などと新型電動バスの開発に取り組んでいる。同社の井田義則代表取締役会長は、加速する研究開発の流れを前に「量産化の技術を我々は求められていると認識している」と語り、EVの量産化に対する意欲を示した。

井田義則氏

SIM-Drive取締役でナノオプトニクス・エナジー代表取締役社長藤原洋氏は、SFC CLIPの取材に対し「新しいエネルギー技術は情報技術。SFCの次の20年のテーマが見えてきたのではないか」と語り、電力需給バランスを情報技術で最適化する、電気自動車を核としたスマートグリッド構想の実現に対し、SFCへ期待感を示した。

藤原洋氏