6日(木)、義塾電気自動車研究室と、神奈川県、いすゞ自動車等が協力し、新型電動バスの開発・普及のための産学官連携プロジェクトを開始することが発表された。この電動バスには、電気自動車研究室が開発した電気自動車「Eliica(エリーカ)」の技術が利用される。


 このプロジェクトは、環境省の「産学官連携環境先端技術普及モデル策定事業」採択を受けて開始された。電気自動車研究室のほか、Ev/pHVタウンモデル事業(※)に選定され電気自動車普及を推進している神奈川県、自動車メーカー・バス会社・電力会社などが連携し、車両開発や充電インフラ等の普及モデルを検討する。
 このバスの開発にはEliicaの「集積台車構造」が使われている。床下に電池やインバーターを収納する、モーターを車輪に挿入する等の工夫により、地上からの高さが低く平らな床を実現させる。車内空間の拡大や乗り心地を向上させ、CO2の削減やバリアフリー性も確保出来る。またランニングコストの削減にも貢献し、大量生産時の車体価格とランニングコストを合わせたライフサイクルコストは、既存のものと比べ約半分になる。
 今後は、2011年1月に神奈川県内で試作車による実証実験を行うことを目標とし、その結果を元に、さらに普及に向けた試みを行っていく。
※Ev/pHVタウンモデル事業
 経済産業省が主導する事業。同省は電気自動車(Ev)やプラグインハイブリッド車(pHV)を普及させ、大気汚染や地球温暖化、石油枯渇などの諸問題を解決するという構想を打ち出した。この構想実現にあたっての課題点を探るため地域を限定して実施される。神奈川県のほか、8都府県が選定された。