ひときわ目を引く大型展示。建築系のブースは毎年ORFを会場を盛り上げる。今回はその中でも、池田靖史研究会と松原弘典研究会のブースを取材した。

池田靖史研究会 デジタル木造

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池田靖史研究会はインパクトのある大型の模型を展示。この木で作られた模型は最新の建築理論によって作られたという。
 模型の1つ1つのパーツはレーザーカッターによって作られ、パラメトリックデザインと呼ばれる形に組み立てられる。組み立てる際はコンピューターの高速な情報処理能力を活かし、構造を計算。同じアルゴリズムを使っても全く同じ組み方にならない柔軟さも持ち合わせている。

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木材のパーツ同士は釘もネジも道具も使わずに接合されている。

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このパーツはアリーナ付近に新しくできた「SFCものづくり工房」で作られているとのこと。

松原弘典研究会 新宿区東五軒町ビルリノベーション設計

松原弘典研究会では新宿のペンシルビルを新しい住居に改築するリノベーションプロジェクトを展示していた。元は工場として利用されていた新宿の古く細長いビルを改築し、新たに住居としての命を吹き込むプロジェクトである。

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まずは法令に基づき、違法増築部分の4階部分を撤去。テラスを作ることにより、法令に叶った建築を実現。

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新しく建物を立て直すより、改築、改装等リノベーションを行うことにより、環境に配慮。壁面に関しては都市緑化の観点から蔦を用いて壁面緑化を行っている。

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間口が狭いペンシルビルをどう広く使うかというテーマを中心に据え、空間を有効活用する設計を目指している。また、施主の予算とも折衝を行い、予算内で実現可能な建築を作り出している。

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松原研では、この建物を実際に建てている。来年の竣工に向けてプロジェクトを進行させているとのことだ。

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また、コンペに参加して賞を取ったり、実際に建物を建てたり、キャンパスの中に閉じていない実学の精神がひしひしと感じられた。