【ブース】SFCの目玉! Eエリア「デザイン・環境デザイン」
ORFのなかで、両日多くの来場者で賑わっていたのが、緑色のEエリア「デザイン・環境デザイン」のブースだ。XDと総称される、田中浩也研究会・筧康明研究会・山中俊治研究会・水野大二郎研究会などのデザイン系研究会や、まちづくりプロジェクトの中島直人研究会、メディア・コンテンツの小川克彦研究会など、SFCを代表する研究会がひしめき合っていた。SFC CLIP編集部はORF開催期間中、これらの研究会ブースの取材を行った。そのうちのいくつかを紹介しよう。
まず、背景にデッサンが描かれた山中俊治研究会のブースに目が行く。山中俊治研究会では、新しい義足のデザインなどを行っており、研究会の学生が模型の前で来場者に説明をしていた。
筧康明研究会のブースでは、学生個人がそれぞれ作成した作品を展示していた。軽く手を添えるだけで自動的に絵が描けるペン、縫う線や点を光で表すことで刺繍を楽にするもの、水蒸気とスポットライトを用いて空中で形を表現するものなど、個性的な作品がずらりと並んでいた。
刺繍支援キット
自動で絵が描けるペン
加藤文俊研究会のブースでは、研究会で行なっているフィールドワークの成果を展示していた。三宅島に住む人々と触れ合うことで、地元の人がどのような思いで三宅島の地に住んでいるのかを知ったという。地元の人々との関わりのなかで作られた、温かなポスターが特に印象的だった。
ずらりと並んだ資料とポスター
同じくフィールドワーク系の研究会としては、中島直人研究会がある。この研究会のブースには、藤沢駅前や富士吉田、荻窪などで実際に得られた、まちづくりに関する様々な試みの結果が展示されていた。
中島直人研究会の学生は「(自分が関わる藤沢391プロジェクトでは、)開発したい建物のオーナーと実際に話をしながら、どのような場所・どのような街にしたいかを練っていきます。模型や、昔の写真なども参考にしながらアイディアを考えるのは非常に楽しいです」と説明してくれた。
藤沢駅前のビルの模型
また、ホールだけではなく、ホールの入り口にも、ひときわ来場者の目を引く展示があった。田中浩也研究会「ファブラボ」の作品だ。木の板にレーザーカッターで切れ込みをいれて作ったオブジェや、新感覚のパズルやおもちゃ、機械が展示されていた。
マグネットがついた不思議な形の積み木
1枚の木の板がこんなに曲がる
これらの展示について、田中浩也環境情報学部准教授はこう語る。
「これらは皆、デジタルとアナログを掛け合わせた作品です。私は、いろんな広がりを持った研究をしたいと考えているので、目的を何か一つに絞りすぎないように心がけています。木が好き、紙が好き、布が好き、といった興味から始まり、それを今までの工作行為だけではなく新しいデジタル技術と組み合わせた時に、どれだけ造形の可能性を広げられるか、ということを常に考えています」
ファブラボ看板のデザインも洗練されている
すべての研究会を紹介することはできなかったが、ORF当日は非常に多くの研究会が面白い展示を行っていた。この記事で、少しでも今年のORFを思い出して頂けたら幸いだ。