生協の共同購入は高い!

 新入生の皆さんは、生協から共同購入のお知らせが届き、さぞどのパソコンにするか悩んでいることと思います。

 まず、この生協の共同購入のパソコンについていうならば”高い”の一言です。

 新入生の皆さんは、例年このくらいなのではないかと思うかもしれませんが、実は昨年はパソコン本体が¥135,100、Officeをつけても¥167,440でした。それが今年は¥198,000となっています。

 このLet’s noteはノートパソコンの中でも最高峰のもので、確かに頑丈なのですがここまでの物を全員が購入する必要があるのでしょうか。

ハードウェアはオーバースペック?

 ハードウェアについて説明していきますが、このパソコンのCPU(コンピュータの頭脳)は最新型で、モバイル用としてはかなり高性能なもの。昨年の生協モデルよりもかなり高性能です。しかし、その分値段が高く、消費電力も多いのです。昨年までのCPU自体の消費電力(TDP)は10Wでしたが、今年の物は35Wです。もちろん様々な仕様の変更などがあるため単純には比較できませんが、それでも消費電力が増えていることは確かです。

 さらにLet’s noteはとにかく頑丈を最優先にして作っていますので、厚いという問題があります。今年のモデルは厚さが約2.3~3.8cm(最厚部4.1cm)ですが、昨年のモデルは約2~2.5cmでした。Macbook Proも約2.4cmです。このように他社のモデルと比較しても圧倒的に厚く、カバンなどからの出し入れに支障がでるかもしれません。

 このように、このパソコンは確かに高性能ですが全員がこのクラスの物を買う必要はないと思われます。受験や入学などで出費が多いこの時期にわざわざこのような高額な物を買う必要はないのではないでしょうか。

11万円のパソコンでも十分!?

 お得なパソコンの具体例としては、東芝のdynabook R730/26Aがあります。

 これは最安値だと¥109,800で購入できますが(8日現在)、普通に使う分には全く問題ない性能があります。生協モデルと比較しても、差はCPUが少しだけ遅く、OSがProではなく、HDDが320GBである、というぐらいしかありません。重量も1.49kg、バッテリーも10時間稼働します。またオフィス(後述)も付属しています。これだけの差で値段が9万円も安いのであれば間違いなくこちらの方がお得なはずです。

 またWindowsではありませんが、AppleのMacbook Airもお勧めです。

 Macということで心配するかもしれませんが、SFCではほとんどの特別教室(パソコンルーム)がMacであり、Macユーザーも多いので心配は不要です。

 最小構成で¥84,800から購入でき、厚さも1.7cmと薄くデザインも抜群です。この薄さでもCPUは昨年の生協モデルと同じで、HDDの代わりにSSDを使用したことにより動作が早く衝撃にも強いというメリットがあります。これにはDVDドライブがついていませんが、DVDドライブなどを使う機会は滅多にありませんのでそこまで支障はありません。ただし、オフィス(後述)は別売りなので注意してください。

0円から? 必須のオフィススイートはどうする

 SFCでの大学生活にどうしても必要なソフトは、ワードやパワーポイントなどに代表されるオフィススイートでしょう。グループワークなどで発表する機会、またレポートの提出などをパソコンで行うことの多いSFCでは、必須のソフト。共同購入ではMicrosoft Office 2010 professional(アカデミック版)が搭載されています。アカデミック版とは学生や教職員に対して特別に値段を落として購入できるようなソフトのことですが、これは、学校を経由しなくても、3万円ほどで購入することができるのです。ハードウェアを安く抑えれば、オフィスを3万円で購入しても十分に共同購入よりお得に済ませることができます。

 そして、もっとお得にしたい!と考える人におすすめなのが、無料のオフィススイート。代表としてはOpenOffice.org(http://openoffice.org)というソフトです。Microsoft Officeで作成したファイルも基本的に開くことができますし、まず一度試してみて検討してみては?

実はウイルス対策は既に用意されている! 共同購入の一番の無駄

 パソコンを使っていて一番不安なのは、セキュリティの問題です。そこで、共同購入のパソコンにはウイルスバスター2011クラウドがインストールされています。ウイルス対策ソフトウェアはインターネットやパソコンを使っているのなら絶対に必要です。しかし注意してほしいのは、実は義塾がウイルス対策ソフトウェアを用意していることです。

 義塾にはkeio.jpという塾生全体に向けた情報サービスがあります。その中で、塾生であれば利用できるソフトウェアというもの用意されており、この中にはカスペルスキーというウイルス対策ソフトウェアが用意されています。このソフトは毎年更新され、義塾に在籍している限り最新のものを利用することができますし、私たちの授業料の一部で購入されているものです。いわば共同購入でウイルス対策ソフトのついたパソコンを買うのは、ウイルス対策ソフトを二重に購入しているのと同じ! こんな形で気づかない無駄遣いをすることは本当にもったいないことだと思いませんか。

サポート面では共同購入に軍配

 では、共同購入のメリットとしてはどのようなものがあるのでしょうか。まず一つ言えることは4年間の保証がついていて、通常の保証よりも手厚いと言う点があります。修理の受付も学内の生協で可能です。また皆が同じ機種を使っているというのも大きな利点です。ACアダプターを忘れても貸してもらうことができますし、何か困ったことがあっても気軽に質問できるということもあります。ですのでどのパソコンが良いかわからず安心したい場合には良い選択肢と言えます。

それぞれにそれぞれを、それがSFCの魅力

 様々な側面からパソコン選びを考えてきましたが、SFCではさまざまな学びをしている人がいます。コンピュータ、政策、言語、デザインなどいろいろな分野で活躍する人は、それぞれ違ったものを使います。それはパソコンでも同じこと。授業を受けていて、後ろの方からSFC生を見ていると本当に様々なパソコンを使っている人がいることを実感します。総環必須の授業である情報基礎の時間にもパソコンの性能や仕組みについて勉強する機会があります。その予習も兼ねて、この4月、ソフトもハードも含め、新1年生にはゆっくり自分にあったパソコンを選んでみてください。

 また、どんなパソコンで問題が起きてしまったときも、メディアセンター内のCNSコンサルタントブースやITC、そして身の回りの先輩や友達に相談すれば大抵解決できます。そう、SFCならね!