桜もまだ咲かないこのキャンパスにも春が訪れつつある。新入生が、どんどんキャンパスにやってきている。例年、色んな個性をもった新入生がやってくるSFCだが、今年の新入生はどんな子たちなのだろうか? 彼らをとりまく状況と個人個人へのヒアリングから、筆者なりの「12年度新入生」を暴いてみた。

今年も新入生がやってきました!

新入生は全員SNSネイティブ

Twitter、Facebook、古くはmixiなどSNSが与えた影響は大きい。それは大学生もさることながら、高校生からそれらのサービスがあった12年度新入生にとっては、大きな存在なのかもしれない。SNSをやっていることが当たり前で、やってないと話についていけないなどの実被害も大きく、新たな環境に身を投じる新入生ならなおさらだろう。こういった傾向は2011年度の段階でもあったが、2012年度はよりシビアだろう。これまで10名以上の新入生に会ってきたが、全員がTwitter、Facebook、mixiをやっていて、みんなそれなりにちゃんとアクセスしているようだった。

 そしてそんなSNSを使って、サークルや学生団体による新入生の"青田買い"も横行しているようだ。

サークル・団体による”青田買い”

SFC CLIPでも新入生による見学などは開始しているが、ここだけではない。各サークルは専用のTwitterアカウントをもち、その告知内容をサークルメンバーで拡散。すでに新入生と交流の多い在学生も多く、彼らの情報発信力は強い。

 そして極めつけは「keiokeao」だろう。代表を含むサークルメンバー全員が2012年度慶應義塾大学新入生であり、その彼らが3月中に新歓活動を前倒しするという掟破りな団体だ。本日29日には「keiokeaoParty」と題し、様々なゲストを呼びイベントを開催している。新入生らで拡散され、すでに友達を作った人も多いだろう。

 SNSの発展により、入学前から在学生と新入生が交流をとれるようになった今、新入生の青田買い被害は増えるだろう。その様子は、まさに就活にみえる。学生も企業も、組織に入ればやることは同じなのだ。

sfcbotの存在

SFC CLIPでは昨年「12月に私がソーシャル受験生! Twitterで話題のSFCbotって誰?
という記事をリリースした。これまでもSFC大好きなSFC生はたくさんいたが、入学前の新入生がこれほどまでの主張をしたのがあまり見たことがない。彼女は教授や在学生の間でも話題になり、入学前からちょっとした有名人となった。

 彼女とお話したことがある。実際あってみるとたしかにSFC愛は感じるが、普通の子の域は超えない。ネットでの"異常な愛"も、リアルではさすがにわからない。これは他の新入生にも当てはまるかもしれない。Twitterでは意識の高い子も、いざ話してみると意外と普通に履修の悩みなどを話してくる。ネットとリアルの差を踏まえた上で、新入生と交流する必要があるかもしれない。

12年度新入生は、ネット弁慶?

さて、ここまで彼らを取り巻く環境をまとめてきたが「2012年度新入生」とはどんな子たちだろうか。ちょっと言い古された言い回しだが "ネット弁慶" というのが彼らを表現する上で的確だろう。ネット上での彼らはとても優秀で、考えはとても新鮮でユニークだ。そして積極的である。Twitterでイベントのお誘いがあったら参加し、拡散する。しかしそれをリアルの場で表現するのにはまだ慣れていないように思える。あるいは、ネットではただ背伸びをしているだけなのかもしれない。いずれにせよ、SFCに入ればネットだけではないことに気づく。そこでまた挫折や逆境にも合うだろうし、成功体験もするだろう。ネットネイティブは、とてもユニークだ。その発想と感覚を残しながら、大学というリアルの場を全力で使い倒してほしいと思う。

 最後になったが2012年度新入生の方々、入学おめでとう。輝かしい大学生活を送るために、ぜひ自分自身で光をはなってください。