テスト週間も無事に終わり、いよいよ長い春休みが始まりました。私がSFCに入学してもうすぐ1年が経とうとしています。振り返れば、高校時代にSFC CLIPの存在を知ったことがきっかけとなり、今ではエディターとしてSFC CLIPに携わる身となりました。今回は、CLIP編集部員としての私のこれまでを振り返ってみたいと思います。

はじめの一歩

とある雑誌がきっかけでSFCに興味をもち、もっとこの大学について調べようとパソコンと必死に睨めっこをしていた高校1年生の秋。「SFC」と検索してヒットしたものを片っ端からチェックしていく中、SFC CLIPに出会い、「これだ!」という言葉が頭に浮かびました。地方出身の私にとって、SFCについての情報を得られる機会は非常に少なかったため、CLIPはとても重要な情報源だったのです。

 CLIPには、大きく分けて6つのコーナーがあります。SFCに関する報道を行う「NEWS」、ちょっとした読み物を企画する「COLUMN」、外部からの告知を掲載する「MESSAGE」、編集部からのお知らせを記載する「RELEASE」、SFCの日常を写真に収めた「PHOTO」、そして、CLIP編集部員によるフリー投稿スペースの「CLIP記者のあたまんなか」です。当時、私はどのコーナーにも満遍なく目を通していましたが、この「CLIP記者のあたまんなか」は特に好んで読んでいました。配信頻度が不定期ではありますが、実際にCLIP編集部員の顔ぶれを知ることができたり、各部員の思い思いの記事を読んだりすることができるため、SFC志望の受験生やSFCに興味をもっている方にはとても読み応えのあるコーナーではないでしょうか。

 私がCLIP編集部に入ろうと思ったきっかけも、以前から読者としてCLIPを知っていたことが大きな理由です。「受験生時代にお世話になったCLIPに今度は編集部員として自分も関わりたい!」「もしかしたら自分が書いた記事が誰かの役に立つかもしれない!」、そんな思いで、入学してすぐに編集部の門をたたきました。

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単位もお給料ももらえないのに…

編集部員がみんなで顔を合わせ、編集作業と配信を行う日は毎週金曜日の週1回ですが、もちろんその日だけ取材活動や校正作業に取り組んでいるわけではありません。事前の取材申請や実際の取材活動、その後の記事執筆、校正など、配信日は週に一度でありながら、事前に様々な準備や編集作業を行っています。しかし、CLIPは学生メディアとして、またサークルとして活動をしているため、単位やお給料、その他の報酬は一切ありません。どんなに良い記事を書こうとも、どんなにSFCの広報を行おうとも、そうした目に見える利益を受けることはないのです。

 では、そうしたある意味「無利益」状態の中で、毎週の編集に携わる理由は何なのか。この問いには編集部員それぞれに答えがあり、正解や不正解は存在しません。

 私の場合はどうなのか? と自分に改めて問いかけてみると、「エディター: 由谷咲」の文字が私のやる気を支えているのではないかと思います。この、エディターの名前は各記事の終わりに記してある、記事執筆者を指しています。記事によっては数人が名を連ねていることもありますが、エディターとして名前が載るということは、その記事に対して責任をもって携わったことを示しています。

 私が初めてエディターとして名前が載った記事は、「SFCでイケメンを探せ! 新企画『男前CLIP! 』~グランド編~」です。いざ、CLIPに入ったはいいものの、右も左もわからない中で企画したこのコーナー。現在も連載が続いていることに喜ばしさを感じつつも、初回の記事をいま改めて読んでみると、恥ずかしくなるぐらい突っ込みどころ満載の記事です…。しかし、私にとってこれは、自分の名前がエディターとして載ることの嬉しさを初めて感じた大事な記事でもあります。

「校正はいりまーす!」

また、「CLIP読んでるよ!」と声をかけてくれる友人や先輩の存在も私の大きな支えとなっています。「あの記事面白かった! 」「CLIPってこんな記事も書いてるんだね」という言葉をいただく度に、やりがいとともにエディターとしての責任を感じます。毎週の編集活動をこなしていく中で、「一体誰がこの記事を読んでくれるんだろう……」と不安になるときもあります。一生懸命執筆したはずの記事が、配信後に読み返してみると思っていた印象と違っているなんていうことも少なくはありません。

 そうした中、私が一読者としてではなくエディターとしてCLIPを見つめるようになってから、1つの大きな発見がありました。それは、"どんな記事でも配信されるまでに多くの編集部員がその記事に関わっている"ということです。たくさん悩んだ末に選んだタイトルや記事の構成、写真、文章表現が、校正作業によって大幅に変更されることは日常茶飯事です。どんなに「あぁ、この表現が好きだったのに」と思ってもそれが却下されれば、別の言葉に置き換えられます。執筆確認後の「校正はいりまーす! 」という言葉に何度泣かされたかわかりませんが、毎週金曜日の編集日は私にとって、そんなちょっとした敗北感とともに次こそは! という思いで執筆に取り組む日でもあるのです。

 春休みが明ければ、こんな私にも後輩ができます。私よりも文章を書くことが上手な後輩が現れるかも……とびくびくしながらも、一体どんな仲間と活動ができるだろうと楽しみな気持ちでいっぱいです。いま、私が「CLIP記者のあたまんなか」をこうして綴ることで、少しでもCLIPの存在をいろいろな方に認識していただけたら、この記事を読んだ方が少しでもCLIPに興味をもっていただけたらと思い、私のエディターとしての黒歴史を晒しつつ、筆をとりました。何かお役に立てることがあれば幸いです。
 今後とも、SFC CLIP並びにSFC CLIP編集部一同をどうぞよろしくお願いします。