27日(木)、2011年プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)が行われる。SFC生として気がかりなのが、義塾野球部のキャプテンであり4番打者の伊藤隼太選手(環4)がどこの球団に指名されるかということだろう。そこで、SFC CLIPのスポーツ部を自認する藤平直人(総3)と柏木裕希(環2)は伊藤選手がどこに行くのか、それぞれの角度から予想してみた。この記事では私、柏木裕希の予想をご紹介する。

伊藤選手のプロフィール

最初に、伊藤選手のプロフィールを見てみる。
 伊藤選手は右投左打の長打力のある俊足強肩の外野手で、大学日本代表の4番を務めていた。東京六大学野球リーグでは1年春から出場し、3年春秋、4年春にはベストナインを受賞。特に4年春には打率・打点・本塁打の3冠は打率がわずかの差で及ばず逃してしまうものの、素晴らしい成績を上げている。
 しかし、4年秋は25日現在までに本塁打は0本などと春に比べると優れた成績は残せていない。

各球団分析

さて、指名予想の前に各球団の分析をしてみよう。
 ここでは伊藤選手が選ばれる可能性が高い1位指名のみを取り扱う。報道などから指名者が伊藤選手以外にほぼ決定している球団は以下の通り。
千葉ロッテ 藤岡貴裕(投手・東洋大)
福岡ソフトバンク 武田翔太(投手・宮崎日大高)
広島東洋 野村祐輔(投手・明治大)
読売 菅野智之(投手・東海大)
東京ヤクルト 高橋周平(内野手・東海大甲府高)
 以上の5球団以外にも、横浜は明治大野村投手か東洋大藤岡投手に絞っており、中日も投手を獲得するのが濃厚という報道になっている。
 では、残りの5球団の戦力をそれぞれ分析し、どこが指名するのかを予想してみよう。
・東北楽天ゴールデンイーグルス
 外野手はセンターの聖澤こそ定位置を保っているものの、ライトとレフトは流動的である。また、シーズン終盤以外は4番を張ることが多かった山崎が球団から戦力外通告を受けたために長打力不足になるのではないかという懸念もある。しかし、外野手はレギュラークラスの選手自体は多くいる上に、長打力のある打者も外国人で補強できる。それよりも心配なのが先発投手陣である。ローテーションの一角である岩隈が海外移籍する可能性が高く、今回のドラフトも即戦力投手を獲得するのではないかと予想する。
・オリックス・バファローズ
 オリックスは今シーズン1軍で多く投げた投手が中堅からベテラン、もしくは外国人であり、投手を獲得するのが無難な選択かと思われる。一方で、外野陣も穴があるポジションだ。ベテランの田口が抜け、高卒ドラフト1位、駿太も思うような結果を今シーズン残せなかった。来シーズン獲得予定の助っ人次第の面もあるが、外野手のT-岡田が今シーズン終盤にファーストを守ったことも気になるところ。投手濃厚であるが、大穴で伊藤選手の1位指名もあるのではないだろうか。
・北海道日本ハムファイターズ
 絶対的エースのダルビッシュが海外移籍を視野に入れていることから、その穴をどう埋めるかが重要となってくる。そのため、即戦力となりうる投手を1位指名することが濃厚。一方、外野陣は、肩を痛めている稲葉が外野をあまり守れなかったことから、外野の層が薄い感があった。来シーズンも稲葉が外野をあまり守れなさそうならば、外野手の伊藤選手を獲得するというのは十分にある。左の長距離打者も外国人頼りの面があり左の強打者は今一番欲しい素材なのではないだろうか。
・埼玉西武ライオンズ
 埼玉西武は東洋大藤岡投手が最有力との報道があるが、報道だけなので分からない。外野陣はレフトの栗山は首位打者を争うほどの打者であり、若手の秋山もシーズン終盤にはセンターのレギュラーを獲得するなど人材豊富。残るライトも大崎や坂田、熊代といった若手がひしめき合っていて事足りるので、伊藤選手を指名する可能性は薄い。
・阪神タイガース
 最後に伊藤選手を一番注目している阪神。阪神の外野は首位打者争いを演じているマートンが米球界に復帰の可能性があるし、金本は年齢的に厳しく、若手もレギュラーを獲得するまでには至っていない。他の野手を見ても左強打者の鳥谷がFA権を獲得し他球団移籍の可能性があることから、左の強打者はほしいところ。以上の点から伊藤選手は是が非でもほしい存在だ。しかし、伊藤選手の秋シーズンの不振により雲行きは怪しい。即戦力投手に移行する可能性もあるのではないだろうか。ドラフト1位濃厚だが、確実ではないといったところだと思われる。

指名予想

以上の事柄を受けての私の予想は

「北海道日本ハムと阪神のダブル指名」
 である。伊藤選手は秋こそ不振であったものの、押しも押されもせぬ大学野球界の4番打者である。加えて肩も足もある三拍子揃った選手だ。阪神は前評判通り指名するとして、北海道日本ハムは東洋大藤岡投手・明治大野村投手・東海大甲府高高橋内野手といった競合が予想されるところに行くのではなく、阪神が指名しないと見て伊藤選手をドラフト1位で指名すると予想。  みなさんの考えはいかがだろうか。  いずれにせよ、これはあくまでも予想であり、結果は27日(木)17:00からのドラフト会議で知ることが出来る。地上波テレビ中継・ラジオ中継で生中継される予定なので注目しよう。