秋学期が始まって1週間。今年も大学生活への期待を胸に、多くのGIGA生たちがSFCにやってきた。しかし、GIGAの授業の質に関して、GIGA生たちの間で早くも不満の声が相次いでいる。

GIGAなのに英語が聞き取れない!?

GIGA生が抱えている不満にはさまざまなものがあるが、その中でも多いのが「教員の英語が聞き取れない」ということだ。特にデータサイエンス科目においてその不満は顕著となっている。

例えば、27日(火)の5限『データサイエンス基礎(GIGA)』の受講者からは「先生から聞き取れるのは"important"と"easy"という言葉だけだった」「全部自習にするしかデータサイエンス試験には受かりそうにない」といった声が聞こえた。また、同じく5限の『確率(GIGA)』では、受講者の半数ほどが授業開始30分で教室を去ってしまったそうだ。受講していたあるGIGA生は「内容は簡単なのに、英語のせいでかえって分かりにくくなっている」と不満を漏らす。

他のGIGA生からも「先輩たちはどうやってデータサイエンス1を乗り越えたのか」「シラバスを見ても日本人の先生しかいないが、どの先生の授業を履修すればよいのか」と不安の声が上がる。

後述する留学生たちによる学生団体ISAで集めた苦情の中でも、データサイエンス科目を担当する教員の英語が聞き取れないという苦情は特に多く、毎回議題に上がっている。

大学側はGIGA科目の拡大を推進している。そのため、英語で講義が行われる授業の数は年々増加しているが、SFCの教員全員が講義を行えるほどの英語力を身につけているわけではない。教員が英語が得意でない場合、講義を行う教員だけでなく、受講する学生にも多大な負担が掛かる。しかし、必修科目であるデータサイエンス科目となると、どうしても履修せざるを得ない。

GIGA科目の問題は、GIGA生だけにとっての問題ではない。当然ながらGIGA科目履修者の中にも春入学の学生は少なからずいる。日本語であれば理解できたはずの講義内容も、聞き取り困難な英語によって行われることで理解が難しくなってしまう。

改善の試みも

先学期、留学生のための学生団体International Student Association(以下ISA)が発足した。ISAではGIGA科目の担当教員の英語能力を評価するシステムも準備している。上述の火曜日の授業の直後にISAへの加入を希望した新入生のGIGA生も多い。

必修の授業の英語が聞き取れないとなると、進級にも影響がある。ISAなどの活動によって、一刻も早くGIGA科目に関する問題が改善されることを願うばかりだ。