オープンキャンパスの翌日に開催された高校生向けワークショップ「未来構想キャンプ」が開催された。ワークショップは5部門あり、そのうちのWS01: デジファブ・ワークショップ/未来のものづくりに半分一緒に楽しむ勢いで参加してきた。


 未来構想キャンプは9時集合という、夜型生活の筆者には酷な仕打ちであった。高校生たちが全国から集う初対面人間におどおどしている様子を想像していたが、実際は異なった。瞼の重い筆者よりもよっぽどハキハキと、また、まるで前から知り合いだったかのように楽しく会話を交えている。

WS1の1日

WS01は「レゴを超えるオモチャ作り」をテーマにしたモノ作り教室だ。5つのグループに分かれて作業する。アイディアも素材も全て高校生次第。午前中はインスピレーションを求めたフィールドワーク。ようは、ぶらぶら散歩しながらSFCならではの豊富な自然に触れる。

高校生にしてまさかの「かもり」。

そして、食堂で昼食を取りながらののディスカッション。その様はまさしく「グルワ」を彷彿とさせた。

ペーパープロトアタイプの試作品、プレゼンをこなして、いよいよ完成品を作成する。三次元プリンタからレーザーカッター。環境は全てそろっている。最先端の技術に興奮する高校生の姿が印象的だった。

 鴨池周りで見かけた団子虫とヘビの脱け殻のモジュールからヒントを得たというこの作品。紙に切れ込みを入れただけの用紙から、多角形や花の形を作りだすことができる。

春学期の一講座を一日に凝縮したようなワークショップだった。これを体験した高校生はSFCとはどんなものか、どんな紹介文を読むよりも身に染みたはずだ。

相思相愛の関係を目指して

最初に「初対面」と書いたが、そうではない人もいたらしい。同じ予備校で参加したという人々だ。「今回入賞するとAO入試のC方式で利用することができる」という情報を嗅ぎつけた予備校が参加を促した可能性は十分ある。それでも一日の高校生を見ていれば、文面だけのAO入試よりも所謂「汚い大人の意思」をろ過できる。純粋にSFCを愛す生徒をSFCも純粋に愛さなければいけない。國領二郎総合政策学部長の言葉を借りれば、目指すのはSFCと高校生の相思相愛の関係だ。その恋路を大人に邪魔されてはたまらない。来年こそは宿泊型の「キャンプ」が開催され、より高校生の真意に触れることができるキャンプが開催されることを強く望む。