2日(火)、オープンキャンパスの翌日に行われた「未来構想キャンプ」。その中のワークショップ4の取材へ。午後より用事があったため、WS後半及び肝心の最終発表を取材することができなかったが、前半だけでも、高校生、意識高い!そして、グルワがうまい・・・!と痛感。私たち大学生も負けてはいられない。

『地域の活性化』を考えるワークショップ

ワークショップ4は、「社会イノベーション・ワークショップ」。
4つに分けられたグループがそれぞれ話し合ったテーマは「地域の活性化」。地域の活性化に向けて、どのような政策・計画・方向性をうち立てるべきか?というテーマ。

 参加した高校生たちは、このテーマに沿い事前に論文を書いて提出したのだそう。なかには院生に読ませたいと思わせるほどの力作もあったとか。

午前の流れはガイダンス、自己紹介、教授陣のレクチャー、そしてグループごとの発表に向けた方向性・テーマの決定のためのディスカッション。午後の予定はさらにディスカッション・模造紙で発表作成・発表・フィードバック・閉会式となっていた。

前半だけの参加となった筆者だが、「グループワークのやり方」に関して非常に勉強となった。

高校生のグループワーク

高校生たちのなかには、地方や海外から来た人も多く、またそれぞれがボランティアや学生活動に積極的にコミットしており、意識の高いメンバーが集まっていた。教授陣のレクチャーの後のグループワークも、非常に積極的な議論がそれぞれで繰り広げられるものとなった。

 興味深かったのは、それぞれのグループによってグループワークの仕方がはっきり分かれたところ。

 それぞれのグループのグループワークの特徴と、前半のディスカッションできまった各グループのテーマを挙げていこう。
・グループ1
 それぞれが自己紹介の段階から論理的ではきはきとした発言をしていたグループ。「話す」ことをメインに話し合いが進んだ。決まったテーマは、"観光"。自分の出身地などに根差した具体的な意見が出ていたため、テーマも具体的に決まったのでは。

・グループ2
 こちらも「話す」ことをメインにしたグループ。地域における人とのつながり・コミュニケーションに注目し、人とのつながりが地域「内部」でのものをさすのか、それとも地域の「外部」とのつながりをさすのかについて、すぐに疑問が生じる。結果、決まったテーマは、"地域の「外部」とのつながり・コミュニケーション"となった。

・グループ3
 「書く」ことを実践したグループ。配られたA4の紙にまずそれぞれが思いつくことを書きだしていった後、一人ひとりそれを発表し、方向性を決定。「書く」ことでそれぞれの考えを一度整理し、アウトプットする方法をとっていた。最終的に、"大都市"も地域の一つとみることによって、"大都市"についてをテーマとした。

・グループ4
 ポストイットの有効活用。それぞれが持ってきた考えをポストイットに書きだしたあと、2つの方向性(コミュニケーション、経済)に絞っていった(模造紙の上に置いて分類、ホワイトボードも活用)。テーブル上に与えられた道具を最大限利用している印象を受けた。最終的に、たくさん出されたアイデアをベースに、"コミュニケーション(つながり)から経済発展につなげる"というテーマを決定。

ワークショップの様子から学ぶ

自分から話し、相手を引き込んでいくことが、グループ全体の集中力を高めグループワークを効果的にすることを改めて実感。また、「書く」ことがグループワークを効果的にする、という場面を目の当たりにした。実際、SFCのグループワークではモチベーションのあがらない場面もよく経験するが、できる限り楽しく、積極的なグルワにしていくためにも、「書く」「環境を使う」「道具を使う」ということを実践すべきと感じた。

 だが、このようなグルワの方法は、よくよく考えれば「思いついて当たり前」の工夫。実践できるかどうか、が問題だ。



 さまざまな地方・文化圏から来ているにも関わらず、初対面の相手に対して、まったく臆せず自分の意見を発している高校生たちに、我々大学生も負けてはいられない。

 秋学期からのグループワークの仕方や、話し合いの仕方に対して活用できそうなことをたくさん吸収することができた。我々も、秋学期は積極的に、そして今までやっていなかったグループワークのやり方を実践してみてはどうだろうか。