「デザインがしたい!」「プログラムできるようになりたい!」。春のSFC生の挨拶です。私もそう望んではいます。しかし、言うは易し、行うは難しです。
今回、インタビューしたのは藤澤伸さん(13年環卒)。藤澤さんは今年卒業したSFC CLIPの先輩です。SFC CLIPというWebサイトのデザイナーでありエンジニアでした。今春より、Web制作会社で仕事をしています。「デザインがしたい!」「プログラムできるようになりたい!」をまさに形にした先輩に話を聞きました。

(無題)渋谷で待ち合わせ

自分の居場所でできることを探す

–プログラムを始めたきっかけを教えて下さい。

入学当初は雑誌・出版に興味がありました。そこで、松家仁之教授の「出版編集技術」という研究会に入りました。最初からプログラマーを志望していたわけではないんです。雑誌を作るもんだと思って研究会に入ったら"Web"マガジンをやることになって……!! それが"Web"に舵をきった最初のきっかけです。

–結構偶然ですね!

なおかつ、研究会で1年生は私だけでした。すると、なかなか研究会で大きな役割を果たすことはできなかったんですよ。そこで、何かできるようにしたいな、と思って夏休みにプログラムやHTMLの勉強を始めました。自分の居場所で、できることを探したらそうなりました。その後、松家研の先輩に誘われてSFC CLIPに入部しました。

(無題)

プログラムはモノ作りの延長

–プログラムの講義は必修です。それでもプログラムが書けるようになりません。

環境によってどんな技術が育つか決まると思ってます。松家研にいたからついた能力があるし、SFC CLIPをやってたから身についた技術があります。そういう環境ばっかりは自分で探さないといけないですけど。運もあると思います。SFC CLIPに入ったのも運だし(笑)

–プログラマーを必要としている場所に身を置くと良いということでしょうか?

大学では、どこの団体も必要としてると思います。例えば、入った研究会のホームページをもっと格好良くしようとか。やり方はいくらでもあります。

–……プログラム、書けなきゃダメでしょうか。

 ダメってことは無いと思うけど(笑)モノを作ることの延長と見ると良いのではと思います。カリキュラムでも”創造技法”科目って言いますよね。粘土をこねてモノを作るのと、プログラムを書いて作るのは同じです。こねてみて好きじゃなかったら、それでも良いんじゃない?

–デザインの練習はどうやってしましたか?

 デザインはある意味正解が無いから難しいですよね。だからこそ、チームが大事だと思います。デザインしたものを誰かに意見してもらうべきです。それがチームです。どんどん話を聞かなきゃいけないと思います。また、特にWebデザインで言えば、「動いた! 楽しい!」っていうのと、「使われて評価されて楽しい」というのは意味が違うと思います。  チームや環境の重要性を藤澤さんは語ってくれました。個人で成長すると言っても限界があって、仲間や環境から刺激されないとなかなか難しい、と。とは言っても個人的な努力もされているわけで……。藤澤さんはクールなので、あまりこの点は押さなかったですが、この両軸が大切だと感じました。

やりたいことを探すな!

(無題)

 「やりたいことを探すな!」と藤澤さん。やりたいことが見つからなくて大学生は困っているというのに。

–じゃあどうしたら(;_;)

 自分が何をやりたいんだろう、と考える時間はあまり有意義じゃないと思います。やりたいことって変わるし、きりがない。今日プログラミングやりたくても、明日は違うことやりたくなってる。それよりもやることを決めた方がいいです。今なにをやるのか。

–では、どうやって方向性を決めたら良いですか?

 やりたいことと言うよりも、自分はどう人と関わりたいのか。人と喋りたいとか、自分の作ったもので楽しんでもらいたい、とか。自分個人が何を欲しているかよりも、人に対して何をしたくて、人からどういうことをされたいのか。やりたいことをその形で探しておくと良いじゃないんかと思います。  やりたいと言っているうちは何もできない。厳しい言葉ですが、事実だと感じました。「自分は何がしたいのかなあ」と長々思いにふけるのはもうやめにします。 やるぞー!