Twitter。いまやSFCにとって必要不可欠とさえ言えるネットサービスです。Twitterアカウントいくつもってる? 本アカ・裏アカ、SFC生の事情

 他大学に比べても利用者数は圧倒的。キャンパスライフにおいてもTwitterの存在感はかなり大きいのではないでしょうか。今回はSFCにおいてTwitterが大きなウェイトを占めている理由を一歩踏み込んで考えてみました。

SFCは現代の若者事情を反映している

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Twitterが普及しているワケを考えるにあたって、まずSFC生の生態とそれを取り巻くSFCの環境について3つ考えておきましょう。
 1つ目、SFCにはクラスや言語などの縛りがゆるく、既成の基盤となるものがありません。コミュニティが与えられておらず、既成の基盤に根を生やすことができない。各自が努力して自己責任で関係を紡がなくてはなりません。
 2つ目、さまざまな学問分野を扱っているため、価値観が多元化しているという特質。SFCでは「どんなものに興味があって、なにをやりたいか」についてとやかく言うことはナンセンスですよね。「相手の研究領域にはふみこまない」ということはSFCでの作法になっています。
 3つ目、価値評価の尺度が対人関係の豊かさやコミュニケーション能力の高さにおかれているということ。これはSFCに限ったことではありません。日本の社会が経済的にも文化的にも成熟しきったため、ブランド物やステイタスといったことが無意味となり、人間関係にこそ価値がおかれています。これは「最近の若者」についてよく言われていることで、コミュニケーションの上手さでヒエラルキーができているということです。「リア充」「ぼっち」「コミュ力」などのワードはSFCでもよく耳にしますね。
 逆に言えば人間関係というのは非常に状況依存的なものなので、いつひっくり返るかわからない脆いものです。この不安定さが他者からのまなざしをいつも気にしてしまうという状況を生み出します。
 つまり、SFC生は「相手の領域に深く踏み込まずに、いまの人間関係を大事にして、でも他人の目がとても気になる」という現代の若者像をわかりやすく反映しているとも言えるのではないでしょうか。

人間関係を維持したいSFC生とTwitter

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価値観が多元化して絶対的な価値がないSFCでは、価値の中身自体は普遍的な意味をもちません。相手次第で相対化されます。すなわち、境遇を決定する最大の要因はコミュニケーションスキルです。豊かなキャンパスライフが送れるかどうかはコミュ力によるところが大きいとさえ言える。
 しかもシラバスがゆるく、多様な授業が存在するSFCでは、各自が自己責任のもとに利害を調整します。そのため、状況に応じてうまく反応を切り替え、ノリを重視しつつ場を保つタイプのコミュニケーションスキルが重要になってきます。
 こうした不安定な基盤に立つ人間関係にすがらないと自分の拠り所を見つけることができないSFC生にとって、Twitterは大切な(むしろ必要不可欠な)コミュニケーションツールとさえ言えるのです。「いまなにをしているか」「どこにいるか」といった現実とリンクしたタイムリーな情報を把握して、関係を維持することができるTwitter。
巷の若者を取り巻く環境と異なり、SFCではTwitterがすでにインフラとして普及しています。人間関係の(そして自分の)拠りどころとしてTwitterにすがるSFC生は案外多いのではないでしょうか
 パートナーができてからタイムラインに現れなくなった人、あなたの周りにいませんか?自分の拠りどころが見つかってTwitterにすがる必要がなくなったのかもしれませんね。