「アメリカの中の日本」 さて早くも今学期の中間課題の下準備に追われる毎日です。


 そういえば、先日、「千と千尋の神隠し」全米初公開をハリウッドまで見に行ってきました。ハリウッド通り沿いにある大きな映画館(チャイニーズシアターのすぐ側)での公開だったんだけれども、超満員といった感じでこちらの宮崎ファンで賑わっていた。ディズニー配給で英語の声がついていて、僕のつたない英語力でも、それなりにうまく訳せているような印象を受けた。内容が内容だけにこちらの人達にどれほど通じているのかは全く解らないけれども、
 友人に聞くところによると宮崎アニメの第一印象というのはストーリ性以上にビジュアルの美しさなのだそうです。湯屋なんかの映像も僕らが感じるような妙な懐かしさなどは伝わるわけはないのだけれど、やはり新奇なもの、珍しいものに対する驚きといったものは共通のものなのだというちょっとした安心感を感じてしまいました。
 一つ驚いたのが映画館は大人ばかりで、ほとんど子供の姿がなかったこと。公開初日ということもあってかもしれないけれど、ちゃんとしたフィルム作品として評価されているのかな。もはや宮崎駿監督は黒沢明とならぶ世界の Miyazaki といったところです。脚本授業をやっている教授が言うところによると彼はディズニーに対抗できる唯一のアニメ映画監督だそうです。
 他にアニメ関係で面白いと思ったのは、日本ではアニメおたく(?)くらいしか見ないようなマニアックなアニメがこちらではどういうわけかパブリシティを得たりしていて面白い。大抵、邦題と英語の題名は違うものなので、(ちなみに、「千と千尋の~」はこちらでは "Spiritted Away" となっている ) 「~(アニメの名前)見た?」などと聞かれてもよくわからないのだけれど、後で調べてみても日本では非常にマイナーなものだったすることが多い。まあ僕自身それほどアニメに詳しいわけじゃないのだけれども。。。
 他によく名前が挙がる日本人と言えば授業中に見せられる映像の中にも黒澤監督作品がよく出てくる。例えば、彼の作品の一つ「隠し砦の三悪人」に出て来る脇役二人 (もしかすると主役なのかもしれないが、)のでこぼこコンビはスターウォーズ・シリーズの C3PO と R2D2 のモデルになったりしているようで、ハリウッド映画にも大きな影響を与えつづけているのだそうです。
 そういえば、今度、トム=クルーズが日本で撮影するらしいですね。なにやら、題名は "The Last Samurai"  だとか。江戸時代から明治への変換期を描いた作品らしいです。一緒に住んでいる School of Theather で俳優になるための勉強をしているルームメイトがエキストラとして出演できるらしく、こういったチャンスの多さはやはりハリウッドだなと思います。
 やっぱり学科中で唯一の日本人であるせいか、よく日本について聞かれる。日本といえば何を思い浮かべるのか気になったので聞いてみたのだけれど、携帯電話・アニメ・都市の大きさなどが主だった。残念ながら(?)、まだ忍者がいると思っている人はいなかったな。こちらも徐々に日本のような小型の携帯が流行りつつあって、ほとんどの学生は一人一台ずつ持っている。僕はあんまり必要性を感じないのでまだ購入していないけれど、最近は SONY Ericsson の小型の機種が出たようで、よくそういう話題で会話が盛りあがる事もある。料金は基本料金と通話可能な時間だけで考えたら、アメリカの方が少し安いくらい。が、どういうわけかこちらではかかってきた電話にも料金が発生するシステムになっている。そのためか、人によってはポケベルと携帯を持ち歩いて、受けるときはポケベルで、話し掛けるときは携帯でという人もいるらしい。
 ところで、友人に日本のことを説明していてなんとなく思ったのが、自分もあんまり日本について知らないんだなあ、ということ。こちらで学生生活を送ると意外と日本人であるということが会話の発端になったりして友人を作る大きなきっかけになることもあってか、自分でも日本についてよく考えるようになった。
 さて、というわけで、そろそろこちらも秋の気配。昼はまだ暖かいが、夜はとても寒い。どういうわけか住んでるアパートの窓がブラインド状の形をしていて、外の空気がそのまま入ってくる。どうやら西ナイルなんとかという蚊を媒体とする病気がカリフォルニアにも上陸したらしいですね。最近、すこし風邪気味。今日はもう寝るとしよう。ではまた来週。