21日(日)午前1:00、小此木啓吾環境情報学部客員教授が咽頭(いんとう)がんのため、東京都内の自宅で亡くなった。73歳だった。通夜は24日(水)、葬儀・告別式は25日(木)に港区元麻布・善福寺にて行われ、慶應義塾関係の教職員や学生を含め、多くの参列者が訪れた。


 小此木教授はSFC開設の1990年から環境情報学部教授を務め、初代のウェルネスセンター所長として、学生の生活に深く関わってきた。加藤寛初代総合政策学部長、相磯秀夫初代環境情報学部長の2人や、小林栄三郎名誉教授、高橋潤二郎常任理事などと共に、SFCの名物教授とも言える存在であった。客員教授となってからも、担当科目の「心的環境論」は学生の間での人気が高く、Ω館大教室で講義が行われていた。
【小此木啓吾(おこのぎ・けいご)氏プロフィール】
 慶應義塾大学医学部卒、医学博士。専攻は精神医学・精神分析学で、1972年に医学部の助教授を経て、1990年から環境情報学部教授となる。のち東京国際大学人間社会学部教授を兼任。
 1978年に発表した著書『モラトリアム人間の時代』で一躍有名となる。他にも『日本人の阿闍世コンプレックス』、『家庭のない家族の時代』など著書は多数あり、日本精神分析学会会長、日本ストレス学会会長、小寺記念精神分析研究財団理事長なども務めた日本では数少ない家族精神医学の権威である。