6日(木)2限、Ω12にて行われた予算編成論(加藤秀樹教授担当)のゲストスピーカーとして、長野県知事・田中康夫氏が登場した。田中氏がSFCで講演を行うのは今回で3回目となる。


 今回の講演では、「未来への提言 -コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命-」と題して長野県のビジョンを紹介した。「県庁所在地が長野市であることから、従来は長野県=長野"市"という意識があり、長野という地方の中が、さらに長野市という『中心』と『地方』に分かれてしまっていた」と説く田中氏は、そのギャップを埋め、「信州」というブランドを作っていく必要性を力説した。
 昨年の長野県白骨温泉偽装問題についても触れ、「虚偽の情報で消費者をだましたことで、白骨温泉というブランドを自ら崩壊させた。それはひいては『信州』というブランドを崩壊させていくという危険があった」と、偽装問題が報じられた直後に自身が調査に立会い、その調査結果を開示した経緯についても語った。
 なお、もはや恒例となった名刺の配布は、「持ってくるのを忘れてしまったので、次回授業で用意します」とのこと。
【田中康夫(たなか・やすお)】
 1956年東京都武蔵野市で生まれる。76年、一橋大学法学部に入学し、80年「なんとなく、クリスタル」で「文芸賞」受賞。2000年10月26日、長野県知事に就任。主な著書に、「神戸震災日記」「いまどき真っ当な料理店」「憂国呆談」など多数。