今学期から、英語セクションが、English Service Center(以下、ESC)を開設する。論文の添削や、学生の授業外の英語の学習をサポートをするもので、15日(金)から予約が可能となっている。SFC CLIPでは、ESCがどのようなものかを、英語セクションの担当者に伺った。


 応対していただいたのは、飯沼瑞穂先生と、E-Learningのシステムを担当する、千代倉弘明研究室の板宮朋基さん(政・メ)のお二人。
ESC開設の経緯と目的は何でしょうか?
 以前から英語セクションで、学生の授業外で英語を使ってもらう機会を増やしていきたいということで、前からこのような構想はありました。英語セクションの総責任者の鈴木祐次先生、渡辺靖先生のお考えで、新しく学生のサポートをできるような場を提供して行きたいというのが、設立の経緯です。
 去年実験的にオープンしてみて、学生の質問に答えたりしていたのですが、今年本格的にオープンしました。
 SFCの学生は、授業外で、英語を使う機会が増えてくるものと思います。例えば、就職のために必要ですし、いろいろな国から来ている人と、喋るスキルを身につける面でも、必要になります。
 英語の教員が、個人的に見てあげる場所が今までありませんでした。授業内でのサポートはしてるけど、例えば出版するための論文を見て欲しいという時に、それを体系立てて見てあげる仕組みがありませんでした。そういうニーズはずっと感じていました。
 また、英語の苦手意識を持っている学生も多く、そういった先入観を打ち破ってほしいという気持ちもあります。ろいろな機会を使って、苦手意識を克服して欲しいというのが目的の一つでもありますね。英語をあくまでもツールとして、間違えてもいいから使って書いていく、話していくことが重要です。そういうサポートをするところでもあります。
ESCでは、どのようなサービスがありますか?
 一つは、正式な文章の添削です。例えば論文発表する時になるプロシーディングの添削や、就職活動のときに必要になる、レジュメの書き方、論文のアブストラクトの書き方などです。特にアブストラクトは、論文の顔なわけですから、いろいろな人に読まれることになります。それが間違いだらけでは恥ずかしいですよね。この分野は、飯沼先生がサポートします。
 もう一つは、留学する学生のためのスキルを、ロルビン先生がサポートします。留学に必要な、英語伝おインタビューの仕方とか、願書の書き方の指導などを行っていきます。
 また、コミュニケーションスキルと、TOEFLのスタディーエイドを、フリードマン先生が行います。特に学生の中でも、苦手意識を持っている人のために、話す機会を設けています。

▼担当する先生方
 最後に、E-Learningの一環として、E-Learningオーサリングツールを置かせていただいています。オーサリングツールをつかって、オンラインでのプレゼンテーションの添削などを行っています。高画質で、編集作業がいらないので、簡単に行うことができます。
 このシステムは、添削する素材と、添削者の顔を同じ画面で見ることができます。特にライティングの場合、目の前で添削が行われているような感覚です。どうやって直したかかという経緯が残っているので、先生の表情からも、これが本当にいいのが悪いのか、というのも分かるのではないでしょうか。添削結果だけでは無味乾燥ですからね。

▼添削を受けている様子
 例えば今年の1月に行われた、COEの国際ミーティングの発表では、大学院の博士課程の学生が英語で発表を行うのですが、事前にリハーサルの風景を撮って、パワーポイントのプレゼンテーションと発表の内容を、評価・添削をしました。
 また、オンライン上の指導の様子をファイルにセーブできるので、どこからでも、指導を終わったあとでも、もう一度英語を聞きながら、復習をすることができます。

▼千代倉研究室の板宮さん
どのように、ESCのサービスを受けることができますか?
 WEBサイトがあるので、予約をWEBから行います。説明方法などを、あえて英語で書いたのは理由があって、SFCは勉強の場なので、英語で英語を学ぶ機会に、皆さんに慣れて欲しいというのがあります。λ307の掲示や、プリントアウトされたものには全て日本語で説明が書いてあるので、研究室に気軽に立ち寄って欲しいという気持ちもあります。
利用者の見込みはどのくらいでしょうか?
 まだ予約は始まっていませんが、既に予約をしたいという学生は何人もいます。
 特に大学院生で、海外の学会発表をするときには、アブストラクトが重要ですので、気軽に相談していただければと、思っています。修士課程の人間としても、このサービスは魅力的だとは思うので、うまく認知させることができれば、需要があると思います。
 英語、特に喋るのが苦手な学生に対しては、教員の方から、ESCの予約の紹介をして、周知をしてもらうようにしています。
今後どのような展開を予定していますか?
 まずはこのESCをアクティブな場所にしていきたいというのと、3人教員いるので、それぞれの研究分野に、結び付けて行きたいということで、例えば他の大学との交流を増やしていくなどしたいですね。E-Learningを使って、この時間だったら、何々大学と交流ができるので、コーヒーブレイクに来てください、などなど、友好的な場を提供できたらいいなと思う。
 また、特定のトピックを、学生のレベルごとに分けて、話し合う場所も作れたらいいなと思っています。
学生に対してコメントがあればお願いします
 SFCの学生は元気で、いい物を持っている学生が多いと思います。何を書くにしても、メッセージを持っている学生が多いので、これからは英語でそれらを表現することを心がけていってください。私たちがそれのサポートしていきます。ルールを守りつつ、計画的に利用してください。それを英語で読むのも学習のうちですかね。