井上英之研究室主催のセッション、「コレ、社会起業っぽい!? 私の仕事と社会のつなぎ方って?」がORF二日目となる24日(火)に行われ、ゲストとして株式会社フェスティナレンテの影山和明氏、ミュージックセキュリティーズ株式会社の猪尾愛隆氏が登壇した。


■パネリスト
・影山知明氏(株式会社フェスティナレンテ)
・猪尾愛隆氏(ミュージックセキュリティーズ株式会社証券化事業部)
・井上英之総合政策学部専任講師
 会場の皆さんと一緒に考えてみたいという井上講師の提案もあり、セッションは終始アットホームな雰囲気の中で進められた。
 大手企業を離れ、「自分にとって大切なこと」を実現する仕事に就いているゲスト2名を迎え、自分の仕事と価値観についてのセッションが行われた。
 影山氏は現在西国分寺で子どものためのカフェ、「KURUMED COFFEE」を経営している。この職業に就く前はマッキンゼーに勤めており、コンサルティングをしながら自分は客観的にしか物ごとを捉えられなくなっていっている事に気づいたという。KURUMED COFFEEを立ち上げたきっかけは、単純に娘のためと自分の生まれ育った西国分寺を元気にしたいという気持ちからだった。
 人の繋がりを大切にする影山氏は、マージュという共通通貨を設け、いいことを1回するとマージュ1枚を渡している。マージュが5枚たまると、コーヒー1杯が無料になったりする特典があるという。このおもしろい取り組みには客席も驚いていた。
 猪尾氏は博報堂を退社し、現在の仕事に就いた。SFC在学時は、ビジネスを主に学んでいたそうだ。「人生の三分の一は仕事。いかに自分が楽しい、好きなことをするかという事を、学生の頃から常々考えていた」という。
 そんな彼は新しい資本市場の形成を目指す「セキュリテ」という事業を現在行っている。ここでは投資だけでなく、人と人との繋がりに重点を置いたコミュニティの形成を目指している。「投資そのものをを目的しない、好きなことをするための手段としての投資」というものがあってもいいのでは、という思いからセキュリテは出来たという。
 質疑応答も行われ、客席から寄せられた「大手企業で働いたことは役立ちましたか?」という質問には、2人とも大手企業での経験は今の職業に役立っていると答えた。それに付け加え猪尾氏は「やりたい時にやりたい事をするのは大切だけど、タイミングを見極めることが大切だ」と述べた。