Open Research Forum 2010(以下、ORF)が11月22日(月)、23日(火・祝)に開催。会場は六本木アカデミーヒルズ40。今年はセッション数が去年の2倍近い30に増えるなど活気に満ちている。ORFについて実行委員長の小川克彦環境情報学部教授にお話を伺った。

小川研究室

SFCはタンポポのように

景観生態学の一ノ瀬先生が「SFCの分野を見ていると、まるでタンポポみたい」と表現した。タンポポって花が咲き終わると、綿毛みたいな種が風に乗って飛んでいく。そして飛んで行った先で、また群生をなして咲いていく。その1本目のタンポポは、まるで先駆者のよう。またそこに安住せずに、次々風にのっていく。その様子がSFCのようだなと。そうしたタンポポになぞらえて、加藤(文俊)先生が「安住なき先駆」というテーマを考えた。それで、筧先生が作っているORF公式サイトは1輪のタンポポのようになっている。そのタンポポの種1つ1つが、研究室のハッシュタグに対応して綿毛が飛んでいって花を咲かせるようになっている。11月はじめくらいから動き出すかな。



 SFCの特徴を考えたとき、一ノ瀬先生が最初にSFCの生態はタンポポじゃないかと言ったら、それを加藤先生がテーマにして、筧先生がビジュアライズする。そうやって、実行委員会は動いています。

20年の歴史を建設的に、壊す

安住なき先駆というテーマは、なにも過去をないがしろにするわけではない。テーマを英訳すると、「Appreciating the unclaimed」。appreciateには感謝という意味もある。20周年の歴史を作ってくれた先駆者たちに感謝をし、建設的に壊す。そのうえで新しい政策を打ち出す。今までの地位に甘んじていてはいけない、安住していてはいけない。ORFではそういうテーマを打ち出していく。



 また、今年はセッション数が多い。ひとこと言いたい人が増えたからかな。30近くある。特にオープンセッションが増えて、3つの会場は常に埋まっている。ブースも増えて、141ある。会場は常に熱気に満ちているだろうね。

在校生への攻め、高校生への攻め

ORFは本来は企業に向けてのものだが、今年は高校生や在校生に対しても攻めていく。2日目の10:00-11:30に「高校生のためのSFC講座」を開催。高校生はもちろん、親御さんからも自由に質問を受け付ける。参加する先生は新保先生や、山内慶太先生。リアルなSFCを感じて欲しい。



 在校生はORFを全力で活用してほしい。今年から卒論が必修で、研究会への参加は欠かせない。研究会宣伝のセッションもある。ORFでは研究内容もわかるので、自分の興味の分野を探して欲しい。選抜が厳しい研究会ならば、ORFで研究発表を聞き、それを面接などで話したら評判もいいのでは。