10月5日(火)16:30よりSFC大学院棟τ館12号室で講演「倫理学としてみたセルジュ・ラトゥーシュのポスト開発思想の可能性」(講演:中野佳裕氏、討論:北野収氏)を開催します。前提知識不問、事前予約不要。


●講演「倫理学としてみたセルジュ・ラトゥーシュのポスト開発思想の可能性」
 (2010年10月5日(火)16:30-18:30 @SFC タウ(τ)12号室)
ポスト開発思想の先駆者であるセルジュ・ラトゥーシュの著『経済成長なき社会発展は可能か』(作品社)を訳して日本にいち早く紹介する役割を果たした中野佳裕氏をお招きして講演会を開催いたします。本講演ではラトゥーシュの一般的な紹介に留まらず、ラトゥーシュの思想から私たちは何を学ぶことができるのか、骨太に語っていただきます。
討論者には『南部メキシコの内発的発展とNGO』などの著作で、やはりポスト開発思想の先駆者たちを紹介して批判的に論じた北野収氏をお招きして論点を提示していただきます。
「ラトゥーシュって誰?」「ポスト開発思想って何?」「思想から学ぶってどういうこと?」という素朴な疑問をお持ちの方も、前提知識不問で参加していただけますので、どうぞ奮ってご参加下さいませ。
【講演】中野佳裕氏(立命館大学客員研究員。DPhil(開発学))
【討論】北野収氏(獨協大学教授)
【日時】2010年10月5日(火) 16:30-18:30
【場所】慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス大学院棟τ館12号室
【共催】山本純一研究会、田島英一研究会、大学院GNLプロジェクト、
    東アジア研究所SDプロジェクト
【連絡先】SFC後期博士課程・笠井賢紀([email protected])
【留意事項】事前の予約は不要です。参加費は掛かりません。希望者は終了後に
  湘南台駅近辺で開催する懇親会に参加できます(有料、事前連絡推奨)
【講演概要】
今年7月、フランスの経済哲学者セルジュ・ラトゥーシュの初の邦訳書『経済成長なき社会発展は可能か?』(作品社)が刊行され、これまで日本に紹介されることのなかった希代の思想家の四十年以上にわたる研究・思索活動の一端を日本語で知ることができるようになった。
ラトゥーシュの思想の対象領域は、西洋近代の経済思想の批判からはじまり、今日の消費社会がもたらす地球規模での不正義を是正するためのオルタナティブな社会の建設のための実践運動の提案にいたるまで幅広い。本講演では、日本の世論では比較的見落とされる可能性がある、思想家としてラトゥーシュの著作の可能性を大局的に議論したい。一方ではフッサール以降の現象学における西洋近代批判の思想運動と、他方では社会主義思想の再解釈の潮流と関連づけながら、ラトゥーシュのポスト開発思想がヨーロッパの社会思想(特に社会倫理、正義論)に与えうる貢献について説明する。
http://web.sfc.keio.ac.jp/~kasai/event/101005_nakano.pdf