第23回七夕祭にて「激論マイナンバー 古川元久国家戦略担当大臣(以下、古川大臣)とSFC学生との『社会保障・税に関わる番号制度(マイナンバー)』トークセッション」が開催された。この企画は、七夕祭実行委員会と新保史生研究会が企画から運営まで全てを担当していた。今回のトークセッションはどのようにして開催に至ったのか、新保史生総合政策学部准教授にお話を伺った。

今回の企画への反響はいかがでしたか?



 会場の外でやっている七夕祭の他のイベントに興味がある人が多く、始まった直後は参加者があまり多くありませんでした。しかし、最終的には150人もの方に参加していただけました。SFCの学生のみならず地域の一般の方や、高校生、他大学の教員など、外部の方にも参加していただけて、非常に良かったと思います。

 また、マイナンバー制度を所管している内閣官房からも良い反響を頂けています。現在、内閣官房は全国47都道府県で「マイナンバーシンポジウム」という企画を展開していますが、マイナンバー制度の担当大臣にお越し頂き、そのシンポジウムに匹敵する企画をやるのは我々が初めてです。


今回の企画はどのような経緯で開催に至ったのですか?



 まず、このマイナンバー制度にはSFCが非常に深く関わっています。例えば、神成淳司環境情報学部准教授は、マイナンバー制度のCIO補佐官を担当しています。つまり、システム関係の担当者ということです。また、私も個人情報保護の制度検討に関わっています。さらには、金子郁容政策・メディア研究科教授が医療情報の番号制度の委員長を務めていますし、内閣官房のマイナンバー制度の責任者もSFCの大学院出身者。このような深い縁があることから、内閣官房から今回の企画についての打診をいただきました。

 また内閣総理大臣が座長を務め、村井純環境情報学部長や土屋大洋総合政策学部教授も参加している、情報セキュリティ政策会議などでも、このイベントの背中を押す声が出ました。


なぜ七夕祭で開催をしたのですか?



 元々この企画を計画していた時には、マイナンバー制度の法案が審議に入って具体的に話が動いているタイミングで講演をやることを想定していました。しかし、政局の関係でなかなか話が進まず、審議開始を待つことはできない状況になってきました。

 他の授業日や、土日で開催する案もありましたが、全国民が関係するマイナンバー制度を、SFCの学生だけでなく地域の一般の方にも講演を聞いていただくため、七夕祭に開催しようという話になりました。七夕祭を逃すと、次は秋祭やORFになってしまう。なるべく早く、なるべく多くの人に参加して頂ける機会は、七夕祭しかありませんでした。


最後に、この企画運営へのコメントなどはありますか?



 この企画は、新保史生研究会と、七夕祭実行委員長の酒井亮輔さん(環2)が協力して運営しました。内閣官房の方に資料を用意していただいたり、神奈川県警に警備をお願いしたりしましたが、それ以外はほぼ全て自分たちでやりました。事故もなく終わって本当に良かったと思います。

 ひとつ残念だったのは、非常に時間が短かったことです。学生の意見、執行部の意見、会場の意見を全て出すには時間が足りませんでした。登壇した学生からも、短いということは言われました。ただ逆に言えば、短時間で行われたからこそ、この企画は中身が濃くなったのだと思います。また、それだけマイナンバー制度への関心が高まっていて、皆話したいことが多かった、ということも言えると思います。



 新保准教授と新保研究会は、社会保障制度が大きく変わるきっかけとなるマイナンバー制度をより理解してもらうべく、今回に向けて活動してきたという。最後に新保准教授は、大変なこともたくさんあったが企画が無事成功してよかった、企画に協力していただいた七夕祭実行委員長の酒井さんと内閣官房の皆様には深く感謝したいと思います、と締めくくった。