18日(水)、SFCで来年度から適用される、新カリキュラム(14学則)についての特設WEBサイトが公開された。新カリキュラムは2014年度以降に入学する学生を対象としているが、履修者選抜の実施方法など、在校生にとってもいくつか変更点がある。

新カリキュラムのコンセプト

 2014年度より導入される新カリキュラムは、1990年開設のSFCでは7つめのカリキュラムとなる。
 新カリキュラムは、「研究会」を中心に据えるというSFCの基本理念を今まで通り残しつつ、そのために必要な基礎力をさらに高めることを目的としたものとなっている。
 具体的には、これまで以上にクラス単位での学びを重要視したり、各生徒が自分に合った研究会を見つけるための道しるべとなる「アスペクト」という仕組みも導入するなど、新たな取り組みも含まれている。

 新カリキュラムでは、開講する科目が大きく「基盤科目」「先端科目」の2つの科目群に分類される。2014年度以降に入学する学生は、在学生とは進級・卒業要件が大きく異なる。

新カリキュラム新カリキュラム特設Webサイトより


SFCでも4学期制・2学期制併用制に

 2014年度から、慶應義塾では4学期制・2学期制併用学事日程がスタートすることになっている。これは、留学など学生の選択肢を増やすための取り組みで、SFCでも学期前半・学期後半設置の科目が今後増えていくことが予定されている。

履修選抜がSFSでの事前実施に

 これまでは、履修者を制限する科目については初回授業に出席して選抜用紙などに記入し、それをもとに履修者選抜を行っていた。
 しかし、2014年度からは選抜方法が大きく変更され、初回授業の前にSFC-SFSを利用して履修選抜を行われる。

 履修者選抜の方法が変更されるにいたった経緯について、学事担当者は、
「4学期制・2学期制併用制の開始により、従来の選抜方法では、学期後半設置の科目は、初回授業を経ずに履修申告期間が終わってしまうことになります。また、4学期制設置授業は週に2回、2時限連続のような形で授業が行われる場合が多いので、初回授業だけで2回分の授業が終わってしまうことになります」
 これらをふまえて、初回授業前に履修者選抜を実施する形にしたと言う。今まで通り初回授業で履修選抜を行うものだと思っていると、希望する授業を履修できなくなってしまうため、在学生は特に注意する必要がある。

履修中止制度が導入

 また、2014年度からは、新たに「履修中止制度」が導入される。これは、履修申告をした後でも、所定期間内に手続きをすることで、その履修を中止することができる制度だ。義塾内では、経済学部など既にいくつかの学部・研究科で導入されている。
 履修を中止した科目は成績評価されず、履修記録として成績証明書に記載されることもないという。なお、中止した代わりに他の科目を追加で履修することはできない。

授業名が変わる?

 これまで開講されていた授業でも、2014年度以降は、現行カリキュラムと新カリキュラムとで授業名が異なる場合がある。

2013年度以前2014年度以降
・創造実践科目「音楽基礎ワークショップ」・創造実践科目「音楽基礎ワークショップ」(現行カリキュラム)
・基盤科目(共通科目)「音楽基礎」(新カリキュラム)
授業名が異なる例

 新カリキュラムで別々の科目名が表示されている授業については、在学生は従来のカリキュラムでの科目名、新入生は新カリキュラムでの科目名で履修申告することになるため、在学生の履修申告の方法などに変更はない。

 なお、同一科目の授業を進級・卒業に必要な単位として履修できるのは1度までなので、今年度「音楽基礎ワークショップ」の単位を取得済みの場合に、来年度「音楽基礎」の授業を進級・卒業に必要な単位として履修することはできない。

在校生の進級・卒業要件は今まで通り

 新カリキュラムは2014年度以降に入学する学生を対象にしている。そのため、新カリキュラム導入後も、2013年度以前に入学した在校生は従来通りの進級・卒業要件を満たせばよい。
 ただし、2018年度以降は入学年度に関わらず、すべての学生に新カリキュラムの進級・卒業要件が適用される。

 2年生に進級するための進級要件である「総合政策学の創造」「環境情報学の創造」の授業は、来年度以降休講扱いとなり、開講されない。そのため、今学期までに総合講座科目の単位を取得していない学生は、2014年度にその科目を履修申告した上で、学期前半に開講される「総合政策学」「環境情報学」(各1単位)の両方に出席する必要がある。

 4年生への進級条件のうち、創造技法プログラミング科目は、4単位の科目の多くが休講となる予定のため、基本的には2単位の科目を複数履修することで進級要件を満たすことになる。「論理思考とプログラミング(4単位)」は、2014年度は開講されるが、2015年度以降も開講されるかは未定。

新規開講される科目は、特設科目扱いで

 カリキュラム改訂に伴い、新しい科目の設置も予定されている。
 現時点では、言語コミュニケーション科目から「マレー・インドネシア語ベーシック2」「アラビア語ベーシック2」(各2単位)、ウェルネス科目から「体育4」「体育5」(各1単位)、研究プロジェクト科目では「特別研究プロジェクトA」(4単位)などの科目の新規開講が予定されている。

 また、在学生が新設科目を履修した場合、単位は「特設科目」として認定される。そのため、来年度「マレー・インドネシア語ベーシック2」の単位を取得しても、「創造技法言語コミュニケーション科目」の単位に含めることはできない。
 また、「特設科目」のうち進級・卒業に必要な単位として認められるのは、すでに取得したものと合わせて20単位まで。

 その他、詳細は下記の特設サイトで公開されている。適応される新しいルールや条件など、きちんと読み込んだ上で、履修計画を立てたい。