自転車を利用する学生は、ある日を境に駐輪場がとてもキレイになった事に気づいたのではないだろうか。8日(日)、CycleRe:cycleという団体が駐輪場を大掃除した。ラックの溝に詰まっていた枯葉を取り除き、放置自転車を片付けることで、利用者がより気持ちよく駐輪場を使えるようにしたのだ。CycleRe:cycleが立ち上がった経緯とこれからの方針について代表の齋藤拓郎さん(環3)に話を聞いた。

△△12月8日の駐輪場大清掃(CycleRe:cycle Facebookページより)


きっかけは授業の一環

 きっかけは組織戦略という授業だったと齋藤さんは話す。組織戦略とは、印南一路総合政策学部教授担当のグループワークを中心とした授業。授業内では数名の学生でチームを組み、実際のプロジェクトの企画、運営を行う。「初めにチームを組んだ際に、僕らが『SFCの駐輪場の汚さをどうにかしたい』という共通の問題意識を持っていたことから、CycleRe:cycleを立ち上げました」。
 また、組織戦略からはこれ以外にも、SFC Lip-Dub Projectが立ち上げた「SFC版恋するフォーチュンクッキー」の企画など、注目度の高いプロジェクトが数多く生まれている。

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思わぬ計画の変更

 授業の一環から始まったCycleRe:cycleだが、当初考えていた計画とは裏腹に、実際に動いてみると難しい点などが明らかになってきたという。
 「初めの計画では、駐輪場にある放置自転車をリサイクルする考えもありました。しかし権利や資格等の問題もあり、最終的には駐輪場をキレイに清掃して利用者の意識を高めることや、中古自転車の譲渡仲介を行っているNekkoCycleを紹介する、という方針に決まりました」。
 NekkoCycleは、SFCに所属する学生が始めた事業で、自転車の修理・整備を行なっている中小事業だ。CycleRe:cycleとは直接的な繋がりはないものの、SFCの放置自転車を減らしていくために協力していると言う。

放置自転車のワケ

 駐輪場に捨てられている放置自転車の多くは、SFCを卒業した学生がそのまま置いていってしまったものだと齋藤さんは指摘する。現在でも60台を超える自転車が芝生の横に放置されており、それらは半期ごとにお金をかけて処分されている。しかし処分される自転車の中にはまだ利用できるものも多いため、リサイクルすることは出来ないかと考えた。

 CycleRe:cycleが駐輪場の利用や放置自転車の問題について啓発し、中古自転車の譲渡仲介を行っているNekkoCycleを紹介する、あるいは地域の不要自転車処分の手続きを紹介するという仕組みだ。

これからについて

 活動を続けていきたい気持ちはあるが、障害は多い。「あくまで授業内での活動」という心構えで始めたプロジェクトなので、学期終了後の活動についてはまだ模索中。学期末に向けては、NekkoCycleをもっとSFCで認知させるためのポスター作りなどを計画中だという。

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「キレイなキャンパスを利用している中で、駐輪場という汚い部分にも目を向けて、よりキレイなキャンパスになるよう、1人ひとりが意識してくれたら良いと思う」と齋藤さんは駐輪場の利用者に向けて語った。

 SFCを卒業する人も、不要な自転車を処分できる事がわかれば、放置自転車の数は大きく減ってゆくだろう。CycleRe:cycleの活動にこれからも注目して行きたい。