2023年度卒業式が25日に日吉記念館にて実施された。卒業式が始まる前はあいにくの雨であったが、卒業式が終わると雨は止み、記念撮影を楽しむ卒業生が多く見られた。

今年度の卒業生は6151名。SFCからは総合政策学部から329名、環境情報学部から338名、看護医療学部から100名が卒業した。

卒業式が始まる前はあいにくの雨だった 卒業式が始まる前はあいにくの雨だった

5年ぶりに対面で全学部一斉開催

近年は新型コロナウイルスの影響で、オンライン開催や「午前の部」と「午後の部」に分けての開催となっていたため、対面で全学部一斉開催となるのは、2018年度以来5年ぶりとなった。

日吉記念館に入場する卒業生 日吉記念館に入場する卒業生

式典の様子はYouTubeでも配信

式典の様子 式典の様子

卒業式が行われた25日から数日間、YouTubeで式典のライブ配信がアーカイブされている。

表彰状授与

表彰される看護医療学部の杉沢佳子さん 表彰される看護医療学部の杉沢佳子さん

SFCからは、総合政策学部の和田悠希さん、環境情報学部の菅野将斗さん、看護医療学部の杉沢佳子さんが表彰された。

また、小泉体育賞は体育会庭球部の藤原智也さん(環4)が受領代表として登壇した。

塾長式辞「独立自尊の先導者としてより良い社会を」

伊藤公平塾長は、式辞の冒頭で2023年度の卒業生の多くが2020年4月というコロナ禍の始まりに入学し、大変な思いをしたことに触れた。その上で、日吉記念館で全学部一斉の卒業式が開催できるまで状況が改善したことに対して「皆さんの忍耐と努力に加えて、ご家族のご理解に心からお礼申し上げますとともに、教職員の仲間のここまでの努力を知っている立場として感謝の気持ちでいっぱいです。」と卒業生やその家族、教職員への感謝の気持ちを語った。

式辞を述べる伊藤塾長 式辞を述べる伊藤塾長

そして、慶應義塾の目的である「全社会の先導者」になることや、理念である「独立自尊の精神」について触れ、「独立自尊の先導者としてより良い社会を作っていく役目をそれぞれの立場で果たしていってください。」と述べた。

また、伊藤塾長が今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)で会った「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者のトーマス・フリードマン氏の話を紹介し、福澤諭吉が「Society」の訳語にあてた「人間(じんかん)交際」の考えも併せて紹介した。最後には、25年前の卒業生が招待塾員として日吉記念館に集まっていることに触れ、今年度の卒業生が25年後に「自分たちの努力と連帯によって、日本を、世界をより良いものにしてきたと胸を張り、25年後の卒業生たちの旅立ちを一緒に祝ってください。」と述べ、式辞を結んだ。

会場の様子 会場の様子

来賓にSFC卒の小林正忠氏

総合政策学部を1994年に卒業し、楽天グループ株式会社の前身である株式会社エム・ディー・エムを創業した、小林正忠氏が塾員代表の来賓として祝辞を述べた。

小林氏はユニークな語り口で自身の経験を交えながら、「私が慶應の中で学んだのは「自我作古」という「我より古(いにしえ)を作(な)す」」だと語り、「自分を信じて歩みを進めてほしい」と卒業生を激励した。

壇上でTシャツを着て会場を盛り上げた 壇上でTシャツを着て会場を盛り上げた

また、「自分らしく生きていない感じが嫌なので」と話しながら、壇上でスーツの上から大胆にTシャツを着たり、卒業生の記憶に残りたいという思いからヒップホップユニット「Creepy Nuts」の「のびしろ」の歌詞を引用したりして、笑顔で卒業生にエールを送った。

大学生活最後は「制約なし」で

「慶應讃歌」斉唱 「慶應讃歌」斉唱

塾長式辞でも述べられていたように、2023年度の卒業生は2020年度の入学者が多く、新型コロナウイルスの影響でさまざまな制約があった大学生活には多くの困難があったと想像できる。そのような困難を乗り越えた卒業生のみなさんが大学生活を「制約なし」で終えられることは喜ばしい限りだ。

新たな一歩を踏み出した卒業生のみなさんに心からお祝い申し上げます。

卒業生でにぎわう日吉記念館前 卒業生でにぎわう日吉記念館前

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