演奏・照明・映像が魅せるゲーム音楽のコンサート、THE LEGEND OF RPG
以前CLIP Agoraの記事内で取材した泉志谷忠和さん(12年総卒)がプロデュースを行うゲーム音楽のコンサート「THE LEGEND OF RPG -でんせつの めいきょく おんがくかい-(以下、THE LEGEND OF RGP)」が8日(土)、文京シビックホールにて行われた。
公演の様子(JAGMO提供)
入った瞬間からゲームの世界に引き込まれる
文京シビックホールの入り口をくぐると、ゲームの世界から出てきたかのようなドレスの美女「コンサートプリンセス」が待ち構えており、来場者と写真撮影を行うなどしていた。また来場者に配られる公演のパンレットにも趣向が凝らされており、コンサートの主旨である演奏だけでなく、公演全体をゲームの世界観として表現するような工夫が随所に見受けられた。ホール周辺は開演の前から子供も姿も見られ、従来のクラシックコンサートとは違い、様々な年代の人が関心を持っていることが伺えた。
コンサートプリンセス
演奏と映像、照明が一体となった演出
コンサートは1部と2部に分かれており、1部ではポケットモンスター、クロノトリガー、2部ではドラゴンクエスト、ファイナルファンタジーの楽曲から、誰もが聞き覚えのある有名なゲーム音楽が連続して演奏された。
オーケストラによる演奏が始まり、まず観客の目を奪うのが、舞台全体に投影される映像、そして舞台の凹凸をうまくいかした照明だ。演奏されている音楽を知らずとも、そのゲームの世界観、またどのようなBGMなのかが一目でわかるような演出がなされていた。奏者が演奏する、迫力のある晴らしいオーケストラの音色と、斬新な演出によって、耳で聞くだけではなく、目でも十分に楽しめるコンサートが繰り広げられた。
映像が投影される演奏中の様子(JAGMOより提供)
エンターテイメント性の高いコンサート進行
きらびやかな照明、映像によって演出された迫力のある演奏だけではなく、曲間における増田有華、小田桐奈々のタレント2人による司会もコンサートの楽しみの一つである。2人のかわいらしく、天真爛漫な司会進行によって、奏者紹介、原曲ゲームの背景、オーケストラ曲への編曲にまつわるエピソードなどを聞くことができた。素晴らしい音色を奏でる演奏者たちも、自身がゲーム好きであることを明かすなど、来場者のみならず、公演参加者ともにゲーム音楽にかける思いが強く伝わる場面であった。
最終曲での合唱団とのコラボレーション
あっという間に2時間の公演が終わりを迎え、最後はゲーム、ファイナルファンタジーの楽曲で締めくくられた。最後を締めくくるにふさわしい壮大なストーリーを感じる楽曲で、堂々とし、幻想的な印象が強く感じられる映像投影が観客の心を奪う。途中で男女混成の合唱団が入場し、曲の最後にはオーケストラとコーラスの力強い融合が生まれ、観客の心を揺さぶる演奏であった。
THE LEGEND OF RPG、シリーズ化が決定
演奏中のオーケストラ
今回、THE LEGEND OF RPGは販売わずか1ヶ月でチケットが完売するという盛況を見せたこともあり、公演のシリーズ化がコンサート内で発表された。それを受けて総合プロデューサーの泉志谷さんは「来場者の皆様、本公演に関わっていただいた皆様に心から感謝しています。今回の公演が、ゲーム音楽が残っていく、文化が生まれる一歩になればと思います。プロデュースチームJAGMOの同年代の優秀な仲間たちと、多くの人の心に残る公演をこれからもつくっていきたいです。」と来場者への感謝と次回公演にかける意気込みを語ってくれた。
THE LEGEND OF RPGには今後もさらなる期待があつまるだろう。ゲーム音楽の素晴らしさを伝え、またオーケストラのコンサートの入口としても非常に親しみやすいTHE LEGEND OF BGMの公演を一度訪れてみてはいかがだろうか。