メディアセンター1階のFabスペースに並ぶ3DプリンタなどのFab機器に触れ、ものづくりの楽しさを発信する「Fabってあそぼ!」。今回は、1日(月)-12日(金)に開催された「オリジナルステッカーをつくろう!」ワークショップに参加し、カッティングマシンを使用して当コラムのロゴステッカーをつくってみた。

大画面を触ってアイデアを共有!? 新マシン「ファブステーション」が大活躍

Fabスペースへ足を踏み入れると、大きなパソコン画面をテーブルにしたようなものが目に飛び込んでくる。これは「ファブステーション」と名付けられた次世代コミュニケーションツール(ディスカッションテーブル WWS-DT101、岡村製作所・パイオニアVC社)だ。52型の大型タッチパネル液晶ディスプレイがテーブルと一体になっており、大人数で囲みながらアイデアを共有することができる。Fabスペースにあるマシンのマニュアルを閲覧したり、過去にどのような作品がつくられたかを写真付きで見たりするために、9月に新たに導入された。
 Fabコンサルタントの淺野義弘さん(環3)は、「FabコンサルタントがFabスペースにいないことも多々ある。そんなとき、タッチで直感的に操作できるファブステーションがあれば心強い。ファブステーションで見られるマニュアルを参考にすることで、より多くの人に気軽に利用してもらいたい」と呼びかける。確かに、この大きな画面でマニュアルを見ることができれば、誰でも安心して作業ができる。

大画面のファブステーションは、タッチで簡単に操作できる。

カッティングマシン初挑戦! まずは内蔵カットデータでつくってみよう

ステッカーをつくるために、カッティングマシン(Brother社 Scan N Cut CM110)を使用する。今回のワークショップでは、2つの方法でステッカーをつくることができる。一つ目は、カッティングマシン内に予め内蔵されている文字やイラストのカットデータを、そのまま利用するというもの。二つ目は、自分だけのオリジナルカットデータを使用するというもの。編集部員は、まずは内蔵カットデータを利用してステッカーつくりの練習をしてみることにした。

ホーム画面で[模様]を押し、500種類以上ある内蔵カットデータから好みの図柄を選ぶ。

ミニシャベルをステッカーに

なんとなく「Fabっぽいもの」を探した末にシャベル柄を選択。次はステッカーの色を決める。通常、Fabスペースのカッティングマシンを使う場合、ステッカー用紙などは自分で用意しなければいけないが、今回のワークショップに限り、メディアセンターが様々な色のステッカー用紙を用意してくれた。

真っ赤なシャベルのステッカーを作ります!

カッティングマットの上にステッカー用紙をスプレーのりで貼り付け、カッティングマシンにセットする。次に、カットするシャベル柄の大きさや用紙上の位置などを決める。この操作もモニタにタッチして調整できるので、とても簡単に決めることができる。

次に、内蔵カットデータのなかの四角形や円の図柄をシャベル柄を囲むように配置する。そうすることで、図柄を囲んだ枠に沿って用紙から切り取られるため、すぐに貼らずに持ち帰ることもできる。
 
 大きさや位置の調整が終わったら、カッティングマシンに付属しているカッターの刃を確認。切り抜きたい図柄(この場合はシャベル)のときの刃のメモリは2、用紙から切り離す枠をカットするときのメモリは5でセットする。間違えないようにしよう。

下準備終了! いよいよカットしよう

すべての準備が整ったら、スタートボタンをポチッ。

なんと1分もかからずカットが終了。はがしてみると……

ステッカーを手帳に貼ってみた。

このように、いとも簡単にステッカーをつくることができた。
 

次はオリジナル! 「Fabってあそぼ!」ステッカーをつくる

このカッティングマシンには、スキャニング(カットデータ作成)機能がある。そのため、オリジナルのカットデータを使用したい場合は、紙に手書きするか電子データをプリントアウトをした上でスキャンすれば、マシンがアウトラインを認識してカットしてくれるのだ。

ロゴをプリントした印刷用紙を厚紙に貼ってセットし、ホーム画面の[スキャン]を選択。こんなにくっきりと認識してくれる。

その後は、先に書いた手順と同じように操作する。カットしたい図柄の大きさや位置を調整した上で、ステッカー用紙の色を決めてセットし、刃のメモリを確認すればオッケーだ。

淺野さんのご好意で白抜き(上)もつくってみた。

カッティングマシンの魅力を知ってほしい

淺野さんは、このワークショップを開いたきっかけを「カッティングマシンをもっとみんなに知ってほしかったから」と切り出す。4月から様々なマシンを導入しているFabスペースだが、3Dプリンタやデジタル刺繍ミシンに比べ、カッティングマシンはあまり使われていなかったという。「内蔵カットデータで名刺もつくれるし、操作も簡単だ」と淺野さんがアピールするカッティングマシンの魅力を知ってもらうため、今回のワークショップが企画された。

あのお方がモチーフのステッカーも!?

結果、ワークショップは大盛況。2週間の期間中、個性溢れるステッカーが生み出された。ノートパソコンや充電器に貼る人もいれば、大切に持ち帰る人もいて、実に様々な用途に使われているという。このワークショップを通してカッティングマシンの魅力がSFCに広まり、独創的なアイデアをカタチにする人が増えることを期待したい。
 

「Fabってあそぼ!」では、弊部の部員がFabスペースにあるマシンを実際に利用したり、Fabに関係のある人物に話を聞いたりすることで、独自の視点でFabに迫っていく。
 次回もお楽しみに!