スポーツを通して知的障害者への理解を フロアホッケー交流大会が10月10日(土)開催
秋祭初日の10月10日(土)、SFC25周年記念イベントのひとつ、フロアホッケー交流大会が体育館アリーナで開催される。東海林祐子研究会の学生が中心となって運営。知的障害者と大学生がスポーツを通してつながる喜びを感じてもらうこと、知的障害者に対する認識を深めることを目的としている。
地域住民・地元アスリート・学生らが交流
フロアホッケー交流大会は、東海林研の学生が主体となって企画し、認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本・神奈川、特定非営利活動法人日本フロアホッケー連盟の協力を受けて実現した。
当日はスペシャルオリンピックス日本・神奈川に所属するアスリート数名とSFC近隣に住む知的障害をもつ方々が集まる。学生と一緒にルールの説明などを受けたあと、練習を経てミニゲームを行う。
フロアホッケー交流大会 ~心のバリアフリーを!! 健康な人も障害のある人もみ〜んな集まれ!~ |
||
---|---|---|
日時 | 10月10日(土) 14:30-16:00 (受付14:10-) | |
場所 | SFC体育館2階アリーナ・フィットネスルーム | |
対象者 | スペシャルオリンピックス日本・神奈川所属アスリート 近隣の知的障害者、大学生 | |
定員 | 40名(当日受付先着順) | |
服装・持ち物 | 動きやすい服装、体育館シューズ、飲み物 | |
連絡先 | 慶應義塾大学環境情報学部3年 松岡大介 Eメール: [email protected] 電話: 090-7932-6016 | |
主催 | 東海林祐子研究会 | |
協力 | 認定NPO法人スペシャルオリンピックス日本・神奈川 特定非営利活動法人日本フロアホッケー連盟 |
スポーツを通した知的障害者の社会参加・受容
スペシャルオリンピックスは、知的障害者による国際的なスポーツ大会だ。1968年、スポーツを通して知的障害者の自立・社会参加を応援するためにアメリカで始まった。同時に、地域社会との交流を通して、知的障害者への固定されたイメージや態度を変えることも目指している。現在、その活動は世界170ヶ国以上に及ぶ。日本には1980年に上陸。2005年に長野県で第8回冬季大会が開催された。
ただ単に順位を競う場ではなく、普段の練習の成果を発表する場であるということが、スペシャルオリンピックスの特徴である。金・銀・銅メダルだけではなく、参加者全員が何らかのメダルを与えられて表彰台に上がり、拍手が送られる。
「知的障害者は特別ではない」企画者 松岡大介さんの想い
今回のフロアホッケー交流大会の企画責任者である、東海林研及び体育会蹴球部に所属する松岡大介さん(環3)に話を聞いた。
—— 交流大会を企画しようと思ったきっけかを教えてください。
昨年まで、研究会の先輩方がローリングバレーという種目で地域の方々との交流会を開いていました。その先輩方が卒業されるので、その意志を僕が引き継ぎ、企画を新たに考えた結果、今回のフロアホッケー交流大会に至りました。
—— なぜフロアホッケーに着目したのですか?
知的障害者によるスポーツの世界大会である、スペシャルオリンピックスの種目に含まれていたことがきっかけです。
—— スペシャルオリンピックスですか。初めて耳にしました。
創始者がケネディ大統領の妹(ユニス・シュライバー氏、1921-2009)ということもあり、アメリカではよく知られています。今年はロサンゼルスで開催され、160ヶ国以上が参加しました。一方で、日本ではパラリンピックと比較してまだまだ知名度が低いというのが現状だと思います。
—— アメリカではどのように受け入れられているのでしょうか?
実は、僕の兄がサッカーの日本代表選手としてスペシャルオリンピックスに参加していて、応援のために僕もロサンゼルスに行ってきました。そこで見たのは、市内のあちこちが装飾されてスペシャルオリンピックスのムードに包まれたロサンゼルス。ロゴがついた服を着ていると声をかけられたり、バスで宿泊先まで送ってもらえたり、温かく迎え入れてもらえました。
—— 知的障害をもつ方との交流にはどのような意義があると考えていますか?
僕が子どものころ、知的障害をもつ兄のことで周りから好奇の目で見られることがあったため、兄に対して自信が持てない時期がありました。しかし、兄と一緒にスポーツをしたり、長野大会(2005年)で代表選手として活躍する兄の姿を見たりしているうちに、素直に「すごい」と思えるようになりました。
今回のような交流を通して、スポーツの世界では、障害者もそうでない人も変わらないんだということを皆さんにも知ってもらえるのではないかと考えています。
—— 知的障害者を取り巻く環境はどうでしょうか。
この交流大会を企画する前に、知的障害者についてのアンケートをとりました。その結果を見てわかったのは、多くの人は知的障害者と接することがないということです。つまり、よくいわれる差別・偏見以前に、知的障害者は「いない」のだと思われてしまっているのです。だからこそ、僕が交流の機会をつくろうと決めました。
—— SFCの学生への呼びかけをお願いします。
スポーツを通して交流すれば、知的障害者は決して特別な存在ではないということをきっと理解してもらえると思います。なので、怖がらずにたくさんの人たちに積極的に参加してほしいです。
今回のフロアホッケー交流大会は初心者でも楽しめる内容なので、興味のある人はぜひ参加しよう。「知的障害者を知る」ということが、社会をよりよくする一歩へとつながるのである。