日吉記念館前に集う卒業生たち(慶應義塾広報室提供) 日吉記念館前に集う卒業生たち(慶應義塾広報室提供)

3月23日に慶應義塾大学学部卒業式が行われ、計6,189名が卒業した。昨年度竣工した日吉記念館へ卒業生は足を運び、ここで卒業した初めての代となった。なお、感染症対策のため、卒業生と一部の関係者のみで行われた。学部学位記授与の様子はインターネット上で動画配信されており、そこで式典を見ることができる。

式典の様子はYouTubeで

式典は午前と午後で分けられており、その様子はYouTubeで閲覧可能だ。SFCからは総合政策学部から344名、環境情報学部から363名、看護医療学部から94名が卒業した。

念願の「学位記授与式」 6,189名の門出

前年度は卒業生の登壇がなかった「学位記授与式」。本年度は長谷山塾長による各学部代表者・各種表彰対象者の氏名の読み上げと共に、壇上での学位記授与が行われた。

会場の様子(慶應義塾広報室提供) 会場の様子(慶應義塾広報室提供)

塾長式辞「救いの手を差し伸べる人間に」

「皆さんはこの創立150年を記念する新記念館で卒業式をあげる最初の卒業生です。」

長谷山塾長の式辞では、「感染しない感染させない」という強い意志と、卒業生のみの参加という条件のもと、初の日吉記念館での式典開催が実現していることが強調されていた。そして、2020年度が新型コロナウイルスの感染拡大によって不自由な大学生活になってしまったことについて、「困難に耐え、学問の継続に努力されたことに心から敬意を表します。」と卒業生を賞した。

式辞を読み上げる長谷山塾長(慶應義塾広報室提供) 式辞を読み上げる長谷山塾長(慶應義塾広報室提供)

そして、慶應義塾の教育理念である「独立自尊」の精神のもと、自らの判断で適切に行動することの大切さを説いた。現在、新型コロナウイルスの流行開始から1年が経過し、変異ウイルスやワクチンについてなど色々な言説が溢れている。このような時こそ、義塾で学んだ学問の力によって事態の本質を見抜く必要があるとした。

また、東日本大震災の後と同様に、コロナの時代の「絆」を取り戻そうとするICTやテクノロジーの動きについても触れた。世界の大学では、オンラインと対面を融合したより高度な教育研究モデルが開発され始めているという。卒業生にも、こうした想定外の事態に直面した時に、慶應義塾で学んだ社会の先導者たる者の責務として、「救いの手が差し伸べられるのを待つのではなく、救いの手を差し伸べる人間になってほしい」と呼びかけた。

卒業生代表はSFC生 答辞を述べる

その後、前年度はなかった卒業生代表による答辞も壇上で行われ、SFC生である環境情報学部4年の麻野祥子さんが答辞を述べた。SFC創設30年の節目として、自由にのびのびと学ぶことができたSFCへの感謝を述べる場面が印象的だった。

記念写真を撮る卒業生たち(慶應義塾広報室提供) 記念写真を撮る卒業生たち(慶應義塾広報室提供)
昨今の情勢を鑑み、縮小して行われた卒業式であったが、晴れ着姿の卒業生たちが笑顔で巣立っていった。

関連記事

関連ページ